Media Pool
Media Poolはインタラクティブなワークフローの一部としてオーディオファイルを操作しやすくし、Wwiseで直接コンテンツの作成開始および継続ができる、これまでにないアクセスを提供します。これにより、プロジェクト内で参照されるオーディオファイルを簡単に見つけてアクセスできるようになるだけでなく、ほかのオーディオファイルソースにも直接アクセスできるようになります。数多くのファイルが収録されたサウンドライブラリをMedia Poolのデータベースとして追加すると、画期的な検索ツールを使用して探しているサウンドをすばやく見つけることができます。また検索条件として作成したフィルタのオン/オフ切り替え機能を使用して、結果一覧をさらに絞り込むことや、共通の検索条件を保存して後から使用することも可能です。必要なファイルを見つけたらサウンドを試聴できますが、試聴しながら再生プロパティを変更することも、リージョンを選択して、最終的な選択内容をWwiseプロジェクトにインポートすることもできます。
Media Poolでは、Wwiseにインポートするオーディオファイルの検索、整理、プレビューを実行できます。個人的なサウンドライブラリ、ダウンロードしたStrataライブラリ、サードパーティのライブラリを所有している場合に非常に便利です。これらのライブラリには大量のファイルが含まれていることが多く、必要なものを見つけるのに時間がかかります。Media Poolのデータベースにライブラリフォルダを追加すると、Wwiseで直接ファイルを検索したり、試聴をすることができます。また検索条件としてフィルタを適用し、結果一覧をさらに絞り込むことも可能です。必要なファイルを見つけたら、Media PoolのTransportエリアで試聴できます。またファイルを試聴しながら再生プロパティを変更し、インポート時にそれらの変更を適用することも可能です。Media Poolで最終的な選択をWwiseプロジェクトにインポートできるため、Wwiseの1つのビュー内でワークフロー全体を完結できます。
Similar Sound Search
Similar Sound Searchは、サウンドエフェクト向けに特別に設計されたAudio-to-Audio(オーディオからオーディオ)、Text-to-Audio(テキストからオーディオ)の検索機能です。ソニーAIとAudiokineticの緊密なコラボレーションにより、ゲーム開発やインタラクティブメディアに携わるオーディオプロフェッショナルをサポートする最先端の研究と業界をリードするツールが実現しました。この検索機能で活用されているAIモデルは、プロフェッショナル向けにライセンスされ作成されたサウンドライブラリでトレーニングされているため、制作現場ですぐに活用できる結果を得ることができます。サウンドライブラリはPro Sound Effects、BOOM Library、Strataにより提供されました。この機能はさらに深い検索結果を得るために、WwiseのMedia Poolの一部としてオプションで利用できます。
Similar Sound Searchは、ご使用のオーディオライブラリにおける専門的で信頼性の高いアシスタントとして位置付けることができます。またディープラーニングモデルを利用して、オーディオとテキストを共通の検索空間に配置し、音響的および意味的な類似性によってサウンドをグループ化します。Similar Sound Searchでは、テキストによるクエリまたは参照用のオーディオクリップを使用して検索を実行できます。これにより従来のテキストベースの検索方法では見つけることが難しい、思いもよらない新しいマッチング結果を発見することが可能となります。例えば「smashing fruit(果物が潰れる音)」とラベル付けしたサウンドが、「footsteps in mud(泥の中を歩く足音)」とマッチすると表示されるかもしれません。
具体的には、Similar Sound Searchでは以下が可能となります:
- テキストからオーディオを検索:サウンドの説明を使用して、オーディオコンテンツのみに基づきサウンドサンプルを見つけます。この機能は異なる目的のために録音されたサウンドであっても、説明と一致するオーディオを見つけられる新しい方法です。例えば「smashing fruit(果物が潰れる音)」とタグ付けして取得したサウンドを使用して、「footsteps in mud(泥の中を歩く足音)」のサウンドを作成できるかもしれません。従来の検索では、このようなマッチング結果を得ることは不可能でした。
- オーディオからオーディオを検索:類似したサウンドを検索する方法として、オーディオサンプルを提供する方が簡単な場合があります。提供されたオーディオサンプルとその音質は、学習済みモデルが抽象的に理解できる、関連性の高さをランク付けされた結果を表示するための参照用として使用できます。
いずれのユースケースでも、Similar Sound Searchはサウンドコレクションを新たな視点で捉える貴重なツールとなり得ます。これらの2つの手法はメタデータを使用する従来のフィルタリング処理を強化し、既存のサウンドライブラリと連携してライブラリの可能性を広げます。
Similar Sound Searchについて:
Similar Sound Searchとは何ですか?Similar Sound Searchは、AIを活用したAudio-to-Audio(オーディオからオーディオ)、Text-to-Audio(テキストからオーディオ)の検索機能です。
Similar Sound Searchにはどのような技術が使用されていますか?Media Poolの一部として、非生成AIを使用してユーザ定義データベースから類似するオーディオの検索結果を取得します。
Similar Sound Searchはどのようにして入手できますか?Wwiseのインストール時に選択すると、Similar Sound Searchが追加されます。
WwiseでのSimilar Sound Searchの使用方法に関する詳細情報はどこにありますか?Similar Sound Searchのドキュメントをご覧ください。
Similar Sound SearchのAI活用について:
Similar Sound Searchでは生成AIを利用していますか?いいえ、非生成AI(CLAP)モデルがローカルに保存されて使用されます。
Similar Sound Search機能はインターネットに接続されますか?いいえ、検索で使用されるデータベースはローカルに保存され、外部にはアクセスされません。
Similar Sound Searchが私のデータを収集したりAudiokineticに送ることはありますか?いいえ、CLAPモデルとプライベートデータベースが使用されるため、Audiokineticがこうしたデータを収集することはありません。
Similar Sound Searchはどのようなデータを使用してAIモデルをトレーニングするのですか?ライセンスされたライブラリを使用してAIモデルがトレーニングされています(上記をご参照ください)。
Similar Sound Searchが私のデータを使用してAIモデルをトレーニングすることはありますか? いいえ、AI(CLAP)モデルはローカルに保存され、更新されることはありません。
Wwise EULAが私のデータを使用してAIをトレーニングすることをAudiokineticに許可することはありますか?いいえ、Audiokineticがあなたのデータを使用してAIをトレーニングすることはありません。
まとめ
Wwise 2025.1では、没入感あふれるオーディオ体験を生み出すために欠かせないWwiseワークフローがさらに改善されています。最新リリースの変更点の多くは、一般的なユーザインターフェーススキルを活用しながらワークフローを統一するという、Audiokineticの包括的な目標を達成するためのものです。これらの変更の目的は、日常タスクで発生する軋轢を解消し、ユーザビリティを高めることです。当社はAI、機械学習、ニュートラルネットワークなどの新興技術が持つ可能性を活かして、オーディオをより一層身近に感じられる機能を開発できることを嬉しく思います。AIの開発はライセンスされたデータを使用して社内で行っており、その過程においてユーザデータは使用していません。Audiokineticの責任あるAIへの取り組みに関する詳細をご覧ください。その他の機能概要については、Wwise 2025.1:最新情報 | ベータ版をご確認ください。
Wwise 2025.1 ベータ版がリリースされ、Audiokinetic Launcherでインストールできるようになりました。アクセスするにはWwise LauncherにログインしてWwiseタブを開いてください。"INSTALL A NEW VERSION"のドロップダウンメニューより"Special"を選択してください。
ご注意ください:本ベータ版を正式リリースに使用することはできず、Wwise 2025.1のリリース後はサポートされません。
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