レッスン 8

目次

MIDIトラックに、リバーブを適用する

あなたは、Bossミュージック用にインポートしたMIDIトラックをWwise Synth Oneインストゥルメントにアサインし、Blend Containerを作成してサンプラーにしました。MIDIファイルに音が入っていないので、MIDIファイル内にリバーブを入れて納品することが不可能です。Sulingブレンドコンテナ用にあなたが設定したサンプルにはリバーブがありましたが、Synth OneサウンドSFXオブジェクトには、リバーブが一切ありません。つまり、レッスン4で設定したSynthトラックは、一緒に再生されるトラックと比べて、やや硬く感じられます。

MIDIトラックの音は、あなたがWwise 201 Actor-Mixerで作成したオブジェクトから取り出しています。リバーブを追加するのに、SynthサウンドSFXオブジェクトにリバーブプラグインをインサートしようと思うかもしれませんが、おそらく、避けた方がいいでしょう。Wwiseは継承システムを活用しているので、リバーブプラグインをこの親オブジェクトにインサートすると、その中にある全ての子オブジェクトに対して、プラグインを個別のインスタンスとしてインサートする結果となります。Synthオブジェクトの場合、再生される全てのMIDIノートが、それ自身のボイスとして生成され、それぞれ個別のリバーブがあります。これはプロセッサに対する大きな負荷になりかねず、特に複数のノートが同時に聞こえる場合などは絶大です。代わりに、Master-Mixer HierarchyにBossミュージックで再生されるシンセパートだけのためにオーディオバスを作成して、そのオーディオバスにリバーブを1つだけ適用します。

シンセトラックは、Boss-AとBoss-Cのミュージックセグメントでしか再生されず、これらのセグメントはBossミュージック中にランダムに再生されます。これらのミュージックセグメントが再生されるのを待つのではなく、ミュージックセグメントを直接再生した方が理にかなっています。今はSoundcasterセッションにこれらのミュージックセグメントが表示されていませんが、1つを選択して、別のTransport Controlビューを開けます。

  1. Project Explorerで、Boss-Cミュージックセグメントを選択して、Shift+Tを押してTransport Controlを開いて、選択したオブジェクトを再生します。

    Boss-Cミュージックセグメントが再生されて聞こえると、シンセパートはリバーブがないので、ミックスの残りの部分から少し切り離されているように感じられます。

    [ヒント]

    リバーブを聞きやすくするには、Boss-Cミュージックセグメント内にある、Boss-C_ArpeggioとBoss-C_Melodyのミュージックトラックをソロにすることもできます。

  2. Project Explorerで、Master-Mixer HierarchyにあるBossオーディオバスを選択して、Create New Audio Busアイコンをクリックして、新しいバスの名前をBoss Synthsにします。

    これで、シンセトラックだけのためのオーディオバスができたので、リバーブエフェクトを1つだけ適用します。

  3. Boss Synthsオーディオバスを選択し、Effectsタブを選択し、ID 0の行の[>>]をクリックし、Wwise Matrix Reverb > Medium_Room1を選択します。

    これでリバーブがオーディオバスに適用されますが、影響を受けないドライなシグナルと、リバーブエフェクトの音、つまりWetレベルと呼ばれるものとの、相対的なバランスを調整する必要があります。デフォルトはエフェクトが控えめすぎるくらいなので、ウェットレベルを上げます。

  4. エフェクト名をダブルクリックしてEffect Editorを開いて、Wet levelプロパティを-16に設定します。

    Boss Synthオーディオバスにリバーブエフェクトが設定されたので、シンセオブジェクトを再度アサインしてこのバスを通過するようにします。両方のオブジェクトをMulti-edit機能を使って同時にアサインすれば、ひと手間省けます。

  5. Effect Editorウインドウを閉じます。

  6. Actor-Mixer Hierarchyで、 Arpeggio SynthMelody Synth の2つのオブジェクトを選択して右クリックし、 Show in Multi Editor を選択して General Settings > Output Bus と展開します。

  7. Project Explorerの Boss Synths というオーディオバスを、Multi EditorのOutput Busアサインのプロパティまでドラッグします。

    Arpeggio SynthMelody Synthの2つのオブジェクトが、Boss Synthsオーディオバスにアサインされました。

  8. Bossミュージックプレイリストコンテナを再生します。

    これでシンセパートを再生すると、リバーブがある程度きいて、ミックスになじんでいるのが聞こえます。


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