バージョン
ゲーム中のダイナミックダイアログ(随時変化する台詞)をドライブするのが、Wwiseのダイアログイベントで、再生する台詞を判断するためのルールや条件セットが設定されています。ダイアログイベントを使い、ゲームの様々なシナリオ、条件、結末などを計画できます。あらゆる状況に確実に対応するために、デフォルトや予備条件も設定できます。
これらの条件は全て引数(arguments)や引数値(argument values)を使用して定義されます。まず引数や引数値を組み合わせて、ゲーム内の条件や結果を定義するための引数パスを作ります。次に各パスに対して、Wwiseサウンドオブジェクトをひも付けます。ゲーム中にダイアログイベントが呼び出されると、ゲームは現在の条件とダイアログイベントで定義された条件を比較します。ゲームの現状と合う条件または引数パスが、再生するダイアログ(台詞)を決定します。
Note | |
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ダイアログイベントはゲーム中の台詞や会話のために開発されましたが、台詞専用にする必要はなく、ゲーム内の他の様々な目的に使用できます。 |
Example 4.2. ダイアログイベントの活用例
例えば、実況中継付きのアイスホッケーゲームを考えてみましょう。プレイヤーがシュートして得点した時は、プレイヤーのアクションに対応した実況中継が流れるべきです。Wwiseで様々な可能性や結末を設定するために、まず Player(プレイヤー)、Action(アクション)、Transition(接続詞)などのダイアログイベントを作成します。ゲームのイベントに対応する引数や引数値を作成し、イベントにセットとして入れます。次に各条件や結末を定義する引数パスを作り、それぞれの引数パスに、適切なボイスオブジェクトを割り当てます。ゲームプレイ中に、ゲーム側が現在の引数値とWwiseで定義した引数パスを照会し、再生すべきボイスオブジェクトを判断します。
下図は、「クロスがシュートし、得点した!」という実況中継を、Wwiseのダイアログイベントが生成する様子を示しています。