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SoundSeed Air - Whoosh

プラグインのSoundSeedシリーズは、Wwiseオーサリングアプリケーションの機能をさらに拡充させ、よくある問題に対してユニークなソリューションを提供するために開発されました。SoundSeedは、リソースに考慮しつつ、ゲーム中に繰り返し使用されるサウンドを新鮮かつダイナミックで多様性に富んだ印象に保ちながら、サウンドデザインをゲームの趣向に近づけます。

プラグインSoundSeed Whooshは、物体が空を切る時のサウンドを生成するソースプラグインです。サウンドを作り出すには、ディフレクタ(偏向)物体の特徴や、動く時の軌跡とスピードを定義します。Whoosh(「ヒュー」)音は完全な合成音なので、元となるオーディオファイルは一切ありません。つまり複数のwavファイルを保存する必要がないため、ゲーム中の使用メモリが節約できます。またランダムの機能も多数あり、Whooshのソースから別のバリエーションを作成することもできます。

それでは、多数あるヒーロー用の“Sword”(剣)のサウンドの1つを作成してみます。まず、アクター・ミキサー“Swing”の中にワークユニット“Combat”を設定し、その下に空のSound SFXを準備します。

Whooshのソースを追加するために準備した、空のSound SFX

次に、Contents Editor画面の右上にあるAdd Source(>>)をクリックして、SoundSeed AirシリーズのプラグインSoundSeed Whooshをソースとして追加します。

ソースプラグインWhooshを追加するためのAdd Source(>>)ボタン

Source Plugin Editor画面は、Contents Editor画面のプラグイン アイコンをダブルクリックすると開きます。

ソースWhooshのプラグインアイコン

Source Plugin Editor画面でWhooshサウンドをオーサリング

Whooshのサウンドは、ある物体を表すディフレクタ(単数または複数)とその軌跡の組み合わせで決まります。ディフレクタ設定で物体の形状を決め、Anchor(錨)の設定で物体が回転するかどうかを決めます。

  • Frequency(周波数):物体の大きさを表す。

  • Q factor(Q係数):ディフレクタの表面素材をシミュレーションする。(高いQ値は均一な表面/低いQ値は丸い表面や不均一な表面)

  • Gain(ゲイン):振幅幅をコントロールする。

Object path(物体の軌跡)で軌跡を示すポイントを設定し、空間を移動する方向を決めます。

ディフレクタのプロパティとObject path(軌跡)

物体が移動する軌跡を描くためのポイントは無制限に設定でき、また軌跡は、Settings画面で設定したスピーカーの配置やチャンネル数に合わせて適切にパンします。

今回のウェポンのSwing(スイング)には、2チャンネルの配置と、プレイヤーの前で左から右に円弧を描く軌跡を組み合わせて使います。Wooshの例を分かりやすくするために、“Sword”(剣)、“Axe”(斧)、“Dagger”(短剣)の3種類のウェポンを設定します。

ウェポンの“Swing”音として用意した、3つのWhooshサウンド

[注記] Designer Note

ウェポンが空を切る短い音以外にも、軌跡を円形にして時間設定を長くすれば、スペシャルエフェクトを表現する動作サウンドとして利用できます。生成されるサウンドなので、毎回異なるシミュレーションやサウンドとなります。例えば、魔法をかけるエフェクトの時にランダムなWhooshエレメントをマルチチャンネルで再生すれば、プレイヤーの周りを渦巻くように音が降る効果が、メモリに全く負担をかけずに実現します。

SoundSeed Windの設定と同様に、オブジェクトの動きをコントロールするプロパティの設定は、固定値、ランダム化、またはRTPCに結びついたパラメータから選べます。自動的に作られるカーブをプロパティ設定に利用すれば、「ヒュー」というWhoosh音に動きを追加したり、設定した範囲内でのランダム性が可能になり、サウンドを立体化するのに役立ちます。

WhooshのProperties(プロパティ)、Automate(自動化)されたカーブ、Time(時間)の設定

サウンド生成の機能を利用することでメモリを節約できるのは当然のメリットとして、プラグインのSoundSeedシリーズは驚くほどクリエイティブになれる可能性を秘めています。標準的なサウンドデザインのツールをゲームオーディオのオーサリングアプリケーションに組み込むことで、ランタイムに合成音を生成してデザインと実際の実装との間のギャップを埋めることができます。さらにゲームパラメータを使えばプロパティをリアルタイムで変化できるため、ダイナミックな柔軟性と効率的なメモリー使用という2つのメリットが同時に得られます。

複数のウェポンスイング音を1つのスイングサウンドSFXの中で納めた結果、Whooshの機能を利用すれば、大量のコンテンツのバリエーションを準備する必要がなくなります。


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