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ML1マスタリング·リミッタプラグインの詳細

ニーとモード

ML1マスタリングリミッタは現存する最も柔軟なリミッタの一つです。リミッタの主な目的は、入力信号が指定された出力上限(シーリング)を超えないようにすることです。このプロセスにより、オーディオに多くの有用な変更が加えられます。ML1が所与のマテリアルに「正しい」エフェクトを提供できるよう、ML1ユーザーインターフェースに重要かつユニークな2つのコントロール、ニー(Knee)とモード(Mode)が追加されました。

ニーコントロールは、出力レベルを最大化しながらディストーションを低減するためにリミッタのゲイン構造を修正します。ニーコントロールを増加させると、リミティングの応答カーブの形がソフトになります。次の表は、ニーコントロール値に対するおおよその「ニーサイズ」を示しています。

ニー値

おおよそのニーサイズ

0%

0 dB

25%

3 dB

50%

6 dB

75%

9 dB

100%

12 dB

ML1は、信号データを最大限に活用し、レベルを最大化およびディストーションを低減させるために作動する3つの検出アルゴリズムを持ちます。モードコントロールは、ピーク検出段階の相互作用の仕方に影響を与えます。モードコントロールのエフェクトは、リリースタイムが200ミリ秒未満である場合に最も聞こえやすく、20ミリ秒未満である場合には更に顕著になることに注意してください。

全てのモードは依然としてニーコントロールと相互作用します。各モードが試聴される時には、ニーコントロールを変化させる必要があります。多くの場合、ニーコントロールは、受信オーディオに合わせたリミティングエフェクトの調整を十分にこなすことができます。

リリースのテクニック

ML1 スレッショルド(Threshold)とシーリング(Ceiling)コントロールは、信号増加の最大量を設定しますが、リリース(Release)コントロールは知覚ラウドネスを増大する役割を担います。

信号ピークが発生すると、リミッタは信号ピークを低減およびディストーションを最小化するための最善の方法について一連の決定を行います。ピークがなくなると、リミッタがリカバリします。このリカバリ中に、リミッタは全体的な信号レベルを上げる役割を再開します。リカバリタイムが速い場合、全体的な信号レベルがより頻繁に増大し、信号の知覚ラウドネスが増大します。リリースコントロールは、このリカバリタイムを決定しますが、このために極めて大きな範囲(レンジ)を持ちます。通常、50ミリ秒より速いリリースタイムは、かなりの量のディストーションを生成します。ML1では、1ミリ秒(特定条件下では更にこれ以下)のリリースタイムで、ディストーション(もしあれば)を少なく保ちながら絶対最大知覚ラウドネスを増大させることができます。

スレッショルド(Threshold)、シーリング(Ceiling)、ニー(Knee)およびモード(Mode)コントロールが使用中に知覚ラウドネスを十分に増加させない場合、リリース(Release)コントロールタイムを25ミリ秒以下の任意の速さ(1ミリ秒までにでも)へ下げることで、信号レベルを調整することができます。逆に、信号レベルが大きすぎる場合には、300ミリ秒以上などリリースタイムを遅くすると、レベルリダクションが発生します。


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