バージョン
(以下「Wwise Flangerのプロパティ」参照。)
フランジングは、2つの同一信号がミックスされる時に発生するオーディオエフェクトで、片方の信号がわずかに遅延し、徐々にアマウントを変更するというものです。これは、スイープ(掃引)コムフィルタエフェクトを生み出します:ピークとノッチが、高調波シリーズで相互に関連付けられ、結果として得られる周波数スペクトルに生成されます。これらは、LFOオシレータによって時間遅延を変化させると、周波数スペクトルをスイープ(掃引)します。
Wwiseフランジャーアルゴリズムは、ノッチとピークの深さやそれらの相対的な位置(例えば、奇数次または偶数次いずれの高調波上か等)の制御を可能にする「統一コムフィルタ」に基づいています。これにより、コムフィルタは「フィードフォワード」および「フィードバック」係数の直接変更による広範囲なスペクトル形成を提供することができます。
次の図は、0.5ミリ秒の固定遅延時間を用いて実現される振幅応答の種類を例示しています。フィードフォーワード係数は、スペクトル内のノッチの深さを制御し、フィードバック係数はピークの大きさを制御します。
以下に示されるように、係数の符号により、ノッチまたはピークが奇数次高調波上(正の係数の場合)または偶数次高調波上(負の係数の場合)で発生するかどうかを制御することができます。
以下のように、フィードフォワードおよびフィードバックコンポーネントを併用して異なるスペクトル形状を作成し、ノッチとピークのエフェクトを合成することができます。
遅延時間は、ノッチと/またはピーク間の間隔を効果的に制御します。遅延時間を倍にすることによって、以下の例に示されるようにノッチ間の距離が半減されます。
遅延ラインへの入力(フィードバックパスを含む)と遅延ラインのフィードフォーワードパスをミックスすることができる 'Blend' パラメータが提供する追加的な柔軟性によって、フランジング以外のエフェクトも利用することができます。
この一例は、ビブラートエフェクト(ピッチの規則的なパルス変化)です。ビブラートは、ピッチを変化させるピッチ変動量と速度により特徴づけることができます。フィードバックとブレンドの値の両方を0に設定することで、(変調)フィードフォーワードパスのみが保持されます(ビブラート成分)。
Wwise フランジャープラグインには、一連のプロパティが含まれており、そのほとんどがリアルタイムでの編集可能で、RTPCを使用して特定のGame Parameterにマッピング可能です。
項目 |
内容 |
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Inclusion |
このオブジェクトが含まれるのかどうかを示す。選択すると、このオブジェクトが含まれる。選択しないと、含まれないことを示す。 デフォルトでは全プラットフォームに適用する。プラットフォーム別のカスタマイゼーションの指定や設定を行う場合は、 Linkインジケータ (チェックボックス左)を使う。 チェックなしの場合は、Property Editorのプロパティや動作を設定できない。 Default value: false |
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名前 |
エフェクトインスタンスの名前。 エフェクトインスタンスは、エフェクトのプロパティ設定をまとめたものである。カスタムインスタンスとShareSetの2つのタイプがある。カスタムインスタンスは1つのオブジェクトだけに使用できるのに対し、ShareSetは複数のオブジェクト間で共有できる。 |
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Effect |
エフェクトのタイプ。 |
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Shared by (Used by) |
選択されているShareSetに現在サブスクライブされているオブジェクトのリスト。 エフェクトのカスタムインスタンスを編集している場合は、このフィールドが"Used by"となる。 |
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検索フィールドが開き、標準的な英数字の検索によってマッチしない項目がビューで非表示となる。詳しくは「表の使用」を参照。 検索フィールドを閉じて検索フィルタを解除するには、Searchアイコン左のCloseアイコンをクリックする。
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エフェクトのプロパティ設定をデフォルト値に戻す。 エフェクトのカスタムインスタンスを編集している場合のみこのオプションが使用可能。 |
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Notes |
エフェクトに関する追加情報。 |
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Delay |
コムフィルタが使用する遅延パラメータ。遅延値が小さいと、スペクトルのノッチ/ピークが少なくなる。遅延値が大きいと、周波数のノッチ/ピーク間の間隔が小さくなる。 単位:ms Default value: 5 |
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Color Settings | ||||||
Blend |
変調されたディレイラインに入らない信号に対するスケーリング係数(フィードバックとドライ信号の合計)。フランジングからビブラートまで広範囲なエフェクトの作成に使用可能。 Default value: 1.0 |
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Feedforward |
変調されたコムフィルタ中のフィードフォーワードパスの寄与度に対するスケーリング係数。このパラメータの値が大きい(絶対的である)と、スペクトル中のノッチが強くなる。負の値は、高調波の位置にノッチを均等に配置する。 Default value: 1 |
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Feedback |
変調されたコムフィルタ中のフィードバックパスの寄与度に対するスケーリング係数。このパラメータの値が大きい(絶対的である)と、スペクトル中のピークが強くなる。負の値は、高調波の位置にピークを均等に配置する。 単位: リニアゲイン Default value: 0 |
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Output Settings | ||||||
Wet/Dry Mix |
ウェットパス(エフェクトの出力)とドライパス(エフェクトの入力)間のバランスを制御する。値が0の場合は、エフェクトの影響を受けていないオリジナル信号が生成され、値が100の場合は、エフェクト出力のみが出力される。 単位:% Default value: 100 |
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Output Gain |
潜在的なゲインのロスを補うダイナミックコンプレッションの後に、出力信号に適用されるゲインの量。 Default value: 0 |
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Process Center |
エフェクトがセンターチャンネルを処理するかどうかを決定する。選択されていない場合、センターチャンネルはエフェクトの影響を受けない。 Default value: false |
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Process LFE |
エフェクトがLFEチャンネルを処理するかどうかを決定する。選択されていない場合、LFEチャンネルはエフェクトの影響を受けない。 Default value: false |
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LFO Section | ||||||
LFO Depth |
実際の遅延長をパーセンテージで制御する振幅変調量。0%では、コムフィルタに使用される遅延長は常に遅延パラメータで指定されているとおりになる。100%では、遅延長が全範囲にわたって変調される。 単位:% Default value: 50 |
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LFO Frequency |
変調信号の周波数。 単位: Hz Default value: 1 |
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LFO Waveform |
変調信号の形状。 値: サイン波(Sine)、矩形波(Square)、三角波(Triangle)、上向きノコギリ波(Upward sawtooth)、下向きノコギリ波(Downward sawtooth)。
Default value: Sine |
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LFO Smoothing |
変調信号に適用されるスムージングの量。0から100パーセントまでマッピングされた特定の値によってローパスフィルタリングされる。0%では、信号がそのまま出力する。値が高くなると、エッジや不連続性がスムージングされる。
単位:% Default value: 0 |
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PWM (Pulse Width Modulation) |
矩形波にのみ適用される。1サイクル中のパルス幅を変調する。50%では、サイクルの半分にわたって信号の振幅が最大になり、残りの半分では0になる。100%に近くなると、信号の振幅はサイクル全体にわたって最大になり、非常に短時間のみ0に低下する。 単位:% Default value: 50 |
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Initial Phase Section | ||||||
LFO Phase Offset |
特定の値で表される全てのチャンネルの変調信号のオフセット位相。
単位:° Default value: 0 |
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LFO Spread Mode |
初期位相拡散(パラメータ “Spread” を参照)がどのようにチャンネル間に適用されるかを定義。例えば、スプレッドモードが”Front-Rear”に設定されていると、全てのフロントチャンネルが0に等しい位相で再生を開始し、全てのリアチャンネルは”Spread”に等しい位相で再生を開始する。(処理済の)LFE チャンネルが存在する場合、これは常にフロントレフトチャンネルと同期する。 値:
Default value: Left-Right |
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LFO Phase Spread |
チャンネル間にわたって広がる初期位相における拡散量。各チャンネルに対するこの値の影響の仕方は、スプレッドモードに依存する。
単位:° Default value: 0 |
注意 | |
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フィードバックパラメータのパラメータ値を大きくするとサウンドを更に大きくすることができます。 |
注意 | |
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エフェクトテール(入力サウンドが終了した後の時間のことで、この間にエフェクトは遅延ラインに蓄積されたデータの出力を継続)は、フィードバックを考慮しません。つまり、強いフィードバック値に対しては、エフェクトの大部分が依然として処理中の状態で終了する可能性があるということを意味します。 |
LFOパラメータに関する更なる詳細は、「Wwiseトレモロ(Wwise Tremolo)のプロパティ」 をご覧ください。