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Positioningタブ: Audio Bus、Auxiliary Bus

Bus Positioningタブで、現在のオーディオバスまたはAUXバスのアウトプット側でオーディオがどのようにミックスされるのかを再設定できます。「Positioning タブ: Actor-Mixerオブジェクト、Interactive Musicオブジェクト」と同様に、Audio BusやAuxiliary Busにスピーカーパンニングを使ったり、場合によっては3Dスペーシャリゼーションを使ったりできます。

この2種類のポジショニング設定の主な違いは、ソースチャンネルのアウトプットスピーカーへのマッピング方式です。デフォルトで、パンニングした音のソースチャンネルは互いにリンクし、リスナーやゲームオブジェクトの位置や向きにかかわらず、フロントのLとRのスピーカーから再生されます。ただし、Speaker Pannerを使い各チャンネルのボリュームバランスを調節して、音が異なるスピーカーから聞こえてくるようにすることができます。

3Dスペーシャリゼーションは、リスナーに対するエミッタの位置に依存します。このため3Dスペーシャリゼーションが起きるには、エミッタとリスナーの両ゲームオブジェクトが別々である必要があります。WwiseプロジェクトのActor-Mixer Hierarchyのオブジェクトは、ゲームがEventsをポストしたときに、エミッタに関連付けられます。WwiseオブジェクトのListener Relative Routingオプションを有効にすると、オブジェクトのアウトプットバスが、代わりにリスナーに関連付けられます。通常、Actor-Mixer Hierarchyの中でListener Relative Routingオプションを有効にするので、その次にくるバスは、リスナーに関連付けられます。ちなみに、3Dスペーシャリゼーションを実行できるのは、WwiseオブジェクトのListener Relative Routingを有効にしたときだけで、その理由は、エミッタに関連付けられたオブジェクトが、リスナーに関連付けられたバスにミックスされていくときに行われるからです。

バスでListener Relative Routingを有効にすると、バスのアウトプットとしてサブミックスされた信号がエミッタとなり、その位置はゲームで決まります。これを正しく機能させるには、ゲームが、エミッタやリスナーの順番を注意深く設定する必要があります。例えば、Wwise Spatial Audioモジュールが、Roomsとして機能するバスのエミッタを管理することになります。詳細は、Spatial Audioドキュメンテーションを参照してください。

エミッタとリスナーのゲームオブジェクトの間の距離に基づき、サウンドに距離減衰を適用し、さらにこの設定をAttenuation ShareSetとしてWwise内のほかの多数のオブジェクトで共有することもできます。

General

項目

内容

[name]

オブジェクト名。

オブジェクトのカラーを示します。アイコンをクリックすると、カラーセレクタが開きます。

カラーを選ぶと、オブジェクトに適用されます。オブジェクトのカラーを選択すると図示の通り選択したマスにパレットアイコンと、右下に黄色い三角形が表示されます。

親オブジェクトのカラーを継承するにはカラーセレクタの左端にあるマスを選択します。

オブジェクトのMute(ミュート)、Solo(ソロ)の設定ボタンであり、オブジェクトに自動的に設定されているミュートやソロの状態を示す。

オブジェクトをミュートにすると、現在のモニターセッションにおいて、このオブジェクトの音がミュートされる。オブジェクトをソロにすると、プロジェクト内の他のオブジェクトが全て、ミュートされる。

ミュートやソロを示すMSが太文字であれば、このオブジェクトが意図的にミュートされた、またはソロにされたことを示す。太文字でない、薄いMSの表示は、このオブジェクトのミュート状態やソロ状態が、他のオブジェクトの状態に関連して自動的に決まったことを示す。

あるオブジェクトをミュートすると、その下位オブジェクトが自動的にミュートされる。

オブジェクトをソロにすると、その同位にある他のオブジェクトが自動的にミュートされ、下位オブジェクトや上位オブジェクトが自動的にソロにされる。

[ヒント]ヒント

Ctrlキーを押しながらSボタンをクリックすると、このソロボタンに関連付いている1つのオブジェクトだけが、ソロになる。

[注釈]注釈

ミュートやソロの機能は、モニタリング目的のために提供されるもので、プロジェクト内で維持されず、SoundBankにも保存されない。

このオブジェクトを直接参照する、あなたのプロジェクトにある要素の数を示します。アイコンの色は、このオブジェクトを参照するものがあればオレンジ色、参照するものがなければ灰色です。

ボタンを選択すると 「Referenceビュー」 が開き、 References to: フィールドにオブジェクト名が表示されます。

Notes

このオブジェクトのプロパティについての、追加情報。

Property Editorで選択中のタブの表示方法を設定します。デフォルトで、選択した1つのタブを表示する1つのパネルがあります。スプリッターボタンをクリックすることで、左右または上下に並んだ2つのパネルが表示されます。選択したオプションは背景色で強調表示されます。

同じタブを両方のパネルで開くことはできません。どちらのパネルでも同じタブを開こうとした場合、最初のパネルに別のタブが自動的に表示されます。

[ヒント]タブ選択のショートカット

  • Ctrlと、表示させたいProperty Editorタブの番号に相当する数字を押します。例えばCtrl+4を押すと、4番目に表示されているタブがRTPCタブである場合はそれが表示されます。

Positioning

項目

内容

Center %

センタースピーカーで再生するボリュームの量または率。

  • Direct Assignmentを使ったスピーカーパンニングでは、Center %値が適用されるのは、センターチャンネルのあるバスにアウトプットされるモノオブジェクトだけである。Actor-Mixerオブジェクトがモノになるのは、基となるソースファイルまたはプラグインがモノのときである。Bus Configurationを1.0に設定すると、Master-Mixerオブジェクト(バス)はモノラルになる。

  • Balance-Fadeを適用したスピーカーパンニングでは、Center %値は、センターチャンネルのあるアウトプット(モノ、3.0、5.1、7.1など)だけに適用する。

  • 3D spatializationでも、Center %値は、センターチャンネルのあるアウトプットだけに適用するが、さらに、信号をセンターチャンネルに送信する設定となっている必要がある。

[ヒント]ヒント

Center %の使い方については センタースピーカーの、オーディオ信号のルーティング を参照。

Default value: 0
Range: 0 to 100

Speaker Panning

デフォルトの設定はDirect Assignmentで、FLはFLに、FRはFRに、といった具合にマッピングされる。

Balance-Fadeに設定すると、2.0から7.1までのAudio Busの、各チャンネルのボリュームを調整できる。Speaker Pannerに関して、円に近いチャンネルはボリュームが増大し、円から遠いチャンネルはボリュームが減少する。

Steeringに設定すると、サウンドのチャンネルの中身を、出力バスのチャンネルに対し再配分できる。配分は、Speaker Pannerの円に近い方がウェイト付けが重くなる。

パンナーは、ソース内のチャンネル数とは独立して機能する。

[注釈]注釈

Pannerは、アンビソニックサウンドに全く影響しない。

Default value: Direct Assignment

Speaker Pannerが開く。

Listener Relative Routing

これを有効にすると、このWwiseオブジェクトにおけるエミッタとリスナーの関係が検証されます。エミッタとリスナーの関係を検証することはActor-Mixer Hierarchyのオブジェクトでほぼ必ず必要で、その理由は、Actor-Mixerがエミッタと関連付けられている一方、バスは一般的にリスナーと関連付けられているからです。

バスの場合、Listener Relative Routingが適しているのは、このバスがもたらすサブミックスが独立したエミッタを表し、そのポジションをゲームによって明確に決め、リスナーに対する3Dスペーシャリゼーションを実行する必要があるときだけです。代表的なユースケースとして、Wwise Spatial AudioによってRoomsに関連付けられるAuxiliary Bussesや、Reflectプラグインをホストするアーリーリフレクションのバスなどがあります。

ポジショニングタイプに関係なく、あなたのシグナルチェーンにある少なくとも1つのオブジェクトに対して、Listener Relative Routingを有効にする必要がありますが、その逆の場合は、ミキシンググラフ(つまりバスや、そのEffects)が完全に重複してしまいます。CPUをより多く使う以外に、コンプレッサなどのバスインサートのEffectsの大半は、意図通りに機能しません。

エミッタとリスナーの関係の評価は、ゲームオブジェクトで決まる3Dポジショニングを実行するためにも、必ず必要です(減衰、スペーシャリゼーション)。

3D Spatialization

チェックを入れると、ソースのポジショニングを計算して、3D環境を移動する様子がシミュレーションされる。Position、またはPosition + Orientationを設定すると、サラウンド環境において、サウンドが特定のスピーカーから聞こえることで、ソースの動きが表現される。Position + Orientationの場合、エミッターとリスナーの相対的な向き(orientation)に応じて、そのサウンドのマルチチャンネルコンテンツも回る。Orientationの影響が出るのは、インプットファイルがマルチチャンネルで、スプレッドが0より大きい場合に限る。

Noneに設定すると、ソースはSpeaker Panning設定に従いパンニングされる。

Default value: None

Speaker Panning / 3D Spatialization Mix

Speaker Panningと3D Spatializationの間で、クロスフェードを適用する。スペーシャリゼーションがNone以外のときに、設定可能。

Default value: 100
Range: 0 to 100

Enable Attenuation

これを設定すると、指定したAttenuation ShareSetの減衰カーブが適用される。このプロパティにRTPCを追加し、減衰カーブの適用をランタイムに有効にしたり無効にしたりできる。

Default value: true

(Selector)

このオブジェクトに適用できる減衰インスタンスのリスト。

減衰インスタンスを削除するには、Noneオプションを選択する。

「Attenuation Editor」が開き、選択した減衰インスタンスの距離に基づく減衰を設定できる。

ShareSetを使う場合、この減衰設定を変更すると、このShareSetを使用する全てのオブジェクトにも変更が適用される。

Mode

減衰インスタンスがカスタムインスタンスか、プロジェクト内の複数のオブジェクトがシェアするものかを、指定する。選択できる2種類のモードを以下に示す。

  • Define custom: そのプロパティを複数のオブジェクトがシェアすることのない、減衰のカスタムインスタンスを作成する。

  • Use ShareSet: ある減衰のShareSetを使用することで、減衰プロパティを複数のオブジェクトがシェアできる。

選択中のShareSetを、Project ExplorerのShareSetsタブに表示する。

Position「ポジション」

3D Position

3Dポジショニング(減衰、スペーシャリゼーション)のためにポジショニングを計算する方法の設定。

  • Emitter: ゲームによって決まるポジショニング。

  • Emitter + Automation: エミッターのゲームオブジェクト周りで、User-Definedの自動ポジショニング。 Automationボタンを使って編集。

[注釈]注釈

Wwise Spatial Audioの機能は、Emitter + Automationを使用するサウンドに限定される。Emitter + Automationを使用するサウンドでは、DiffractionとTransmissionの処理は無効になる。また、自動オフセットは初期反響処理に適用されない。反響音はGame Objectの基本位置を使って計算される。

  • Listener + Automation: リスナーのゲームオブジェクト周りで、User-Definedの自動ポジショニング。Automationボタンを使って編集。

[注釈]注釈

Wwise Spatial Audioの機能は、Listener + Automationを使用するサウンドでは無効になる。これには初期反響処理、回折と透過、ルームセンドが含まれる。

Default value: Emitter

「Position Editor (3D Automation)」が開き、アニメーションパスを使い、オブジェクトのスペーシャルポジションをサラウンド環境に設定できる。

Hold Listener Orientation

アニメーションパスのポジションが、リスナーの向き(orientation)に固定されているのかどうか。

このオプションを選択しないと、パスもリスナーに合わせて動く。つまり、リスナーの向きに関わらず、サウンドが常に同じスピーカーから聞こえてくる。選択すると、リスナーがパスから独立して動く。つまり、リスナーが向きを変えると、サウンドが違うスピーカーから聞こえてくる。

例えば、ゲームのリスナー周りで、場所が固定されない鳥サウンドを自動的につくる場合を考える。さらに、そのワンポイント(1点)パスがフロントライトの象限にあるとする。この場合、リスナーがゲーム中に向きを変えると以下が起きる。

  • Hold Listener Orientation (OFF) - 鳥サウンドが、常にフロントライトスピーカーから聞こえる。

  • Hold Listener Orientation (ON) - 鳥サウンドが出るスピーカーが、変化する。

本オプションは、場所が固定されないアンビエントサウンドに適している。

リスナーというコンセプトがWwiseオーサリングアプリケーションに組み込まれていないため、本オプションはゲーム中にしかテストできない。

Default value: false

Hold Emitter Position and Orientation

有効にすると、サウンドの再生開始の瞬間のゲームオブジェクトのポジションとオリエンテーションが保存され、サウンドが終わるまで、それをもとにポジショニングが決まる。

[注釈]注釈

Wwise Spatial Audioの機能は、 Hold Emitter Position and Orientation を有効にしたサウンドでは無効になる。これには初期反響処理、回折と透過、ルームセンドが含まれる。

Default value: false

Diffraction and Transmission

Spatial Audioで、音の回折(diffraction)や透過(transmission)の処理を有効にする。

バーチャル環境の中で、回折は音が障害物を回り込む音の現象をシミュレーションし、透過は音が障害物を透過するのをシミュレーションする。障害物は、ルームやポータルやジオメトリで定義され、これらはAPI経由でゲームからSpatial Audioに渡される。障害物を回り込む音は回折の対象となり、障害物を透過する音は透過損失の対象となるが、どちらも音のボリュームやフィルターに影響を与える。

回折や透過をシミュレーションするためには、まずゲームがレベルのジオメトリ、ルーム、ポータルを定義し、それをWwise Spatial Audioに送る必要がある。

音の回折と透過を有効にすると、Wwise Spatial Audioで以下が行われる:

  • エミッターとリスナーの間で、音のダイレクトパスまたは透過パスを1つと、0または1個以上の回折パスで編成された音のパスが、計算される。

  • 音のダイレクトパスまたは透過パスの、透過損失の係数(0%~100%)が計算される。透過損失は、その音が通るルームやジオメトリによって決まる。

  • サウンドの減衰設定で定義した Transmission カーブに基づいて、透過損失の係数(%)がボリューム値、ローパスフィルター値、ハイパスフィルター値に変換される。対応する減衰とフィルターが、音に適用される。

  • 回折係数(0%~100%)は、回折パス内の角度の合計に基づいて計算される。直線のパスの回折は0%となり、180度以上の角度で曲がるパスの回折は100%とみなす。

  • サウンドの減衰設定で定義した Diffraction カーブに基づいて、回折係数(%)がボリューム値、ローパスフィルター値、ハイパスフィルター値に変換される。対応する減衰とフィルターが、音に適用される。

  • 回折パスでは音とリスナーの見かけの位置関係を計算して仮想ポジションを作成することで、リスナーは、音が角の向こう側から、またはポータルを通して、伝播しているような印象を受ける。

[注釈]注釈

ユーザーはGame Object 3D Viewerで、Wwise Spatial Audio内の様子、例えばレベルのジオメトリ、ポータル、音の回折パスや透過パス、そして結果的なバーチャルポジションなどを見ることができる。

[注釈]注釈

Diffraction and Transmission を有効にするには、Wwise Spatial Audioライブラリを初期化し、ゲームがWwise Spatial Audioに対してレベルのジオメトリ、またはルームやポータルを送信する必要がある。

Default value: false


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