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Using side-chaining

ダイナミックミキシングは、ビデオゲームでよく行われます。オーディオのフォーカスを絞るために、リアルタイムパラメータコントロール、ミックスイベント、ミキサースナップショットなどが頻繁に使われます。サイドチェインも、ゲームの状況を明確にする、パワフルなツールの1つです。

サイドチェインでは、特定のオーディオ信号のレベルをモニタリングし、それを使いほかのオーディオ信号を操作します。確立されているサイドチェインの例として、ラジオ放送でDJが話すと、自動的に音楽のボリュームがダッキングされます。音楽プロダクションでは、周波数スペクトルの底辺のエネルギーを制御するために使われ、ベースドラムが素早くベースボリュームをダッキングします。

Game application

ゲームでサウンドのカコフォニーが生じてしまうような場面で、サイドチェイニングはプレイヤーのフォーカスを操作するためのすばらしいツールです。また、同類オブジェクトの序列を管理したりミックスを整理したりするときに、役立ちます。

重要な音のアタックを再生したとき、サイドチェインが重要でない音のボリュームをアタック形状にそって下げてくれます。

これは重要なサウンドです。その出力バスにMeterエフェクトが挿入されています。

これらはあまり重要でないサウンドです。これらの出力バスのボリュームは、メーターを適用したサウンドのボリュームの増加に反応して小さくなります。

最初に同じカテゴリー内のオブジェクトの優先付け(プライオリティ)システムを設定し、次にカテゴリー同士の優先付けシステムを設定するというのが一般的なアプローチです。例えばこのルールに従いあるゲームで、プレイヤーのキャラクター(Playing Character / PC)のウェポン音の方が、プレイヤー以外のキャラクター(Non-Playing Character / NPC)のウェポン音より重要だと決めたとします。サイドチェインで、PCウェポン音がNPCウェポン音のボリュームをダッキングさせるように設定できます。PCとNPCのウェポン音はかなり似ていても、プレイヤーが必ずPC音の方に注目するように、システムで設定できます。

この考え方を広げ、PCやNPCのウェポン音より近場の爆発音に注意をひいたり、重要なダイアログの方が、ウェポンや爆発を含む全てのSFX音より支配的にしたり、ゲームに合わせて決められます。

下図は、そのようなシステムの階層を表したものです。

Setting up side-chaining in Wwise

WwiseではRTPC(Real-Time Parameter Control)カーブやMeter Effectを使って、簡単にサイドチェインを設定できます。以下は、PC Weaponオーディオバスを通過する信号が、NPC Weaponオーディオバスのボリュームを、3段階に分けて自動的に圧縮する例を示しています。

  1. Game Parameterを作成する: まず最初に、ゲームパラメータ(PC_Weapon_Volume)を作成し、そのレンジ(範囲)を-48から0までとし、ゲームのダイナミックレンジとして適切なレンジにします。このゲームパラメータが、2つのバスの間のコミュニケーションチャネルの役を担います。

  2. バスにMeter Effectをインサートする: 次のステップは、必ず聞こえるようにしたいバス(この場合はPC_Weapon)にMeter Effectをインサートし、出力ゲームパラメータを選択することです。

    Meter Effectは入力オーディオ信号をモニタリングします。エフェクトをサイドチェインに使う場合、Mode、Attack、Release、Holdの各種パラメータを使いアウトプット信号のレスポンススピードを抑制し、滑らかにした値をゲームパラメータに送信しますが、この場合はPC_Weapon_Volumeに送信します。

  3. RTPCカーブを作成する: 最後に、減衰させるバスでRTPCカーブを作成します。この例では、バスボリュームをPC_Weapon_Volumeゲームパラメータに関連付けて、そこで減衰カーブが作成されます。x軸はMeter Effectから計算されたRMS信号を表し、y軸はNPC Weapon Audio Busのボリュームの減衰の程度を表します。

サイドチェインを使うバスの階層を構築するには、この3つの簡単な手順を繰り返すだけです。

Other applications

Meter Effectは一般的なゲームパラメータに送信するため、RTPCを添付できるプロパティであればサイドチェインで駆動することができます。例えば、EQバンドのゲインをサイドチェインの対象にして、特定の周波帯のノッチを実行するようにできます。ほかにも例えば、コンプレッサエフェクトのスレッショルド値を変化させたり、FlangerエフェクトのLFO周波数を変更させたり、FutzBox Lo-Fiエフェクトのディストーションインテンシティを増幅させたりできます。

Wwiseのサイドチェインは非常に柔軟で、様々な用途が考えられます。何よりも、プレイヤーがあらゆる状況で何に注目すべきかをコントロールできるので、パワフルなツールです。


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