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スティンガーの活用

インタラクティブミュージックを使ったフィードバックの範囲を広げるために、ゲームアクションの主要なポイントで、スティンガー(Stinger)を再生させることもできます。スティンガーとは、再生中の音楽に重ねてミックスされる、短いミュージックフレーズのことです。ゲームが、スティンガーMusic Segment(Stinger music segment)に関連したTriggerを呼び出すことで、スティンガーが再生されます。Triggerの使用についてはTriggerの使い方を参照してください。

例えば、前の例の勇敢な考古学者が、古い宝や冒険を求めて寺院の中を熱心に探検しているとします。周囲を探りながら歩き回る間は「Exploration music(探検ミュージック)」が再生されます。そのうちに宝を見つけると、素晴らしい発見を強調するかのように、別の短いミュージックが再生されます。ここでは、探検ミュージックが他のミュージックに切り替わるのではなく、ゲーム側が呼び出したTriggerによって「Found it(宝を見つけた)」というスティンガーが、再生中の探検ミュージックに重ねて再生され、この特別な瞬間が表現されます。スティンガーが終了すると、探検ミュージックの再生は続きます。

再生中のミュージックの上に、スティンガーを重ねるには、以下を行う必要があります。

  • 1つのTriggerに、1つのミュージックオブジェクトを結び付ける。

  • 1つのTriggerに、1つのMusic Segmentをマッピングすることで、スティンガーを作成する。

  • スティンガーの再生方法を設定する。

Interactive Music Hierarchyにおける、スティンガー(Stinger)の使用

スティンガーは、階層の様々なレベルで作成できるので、同じTriggerを、複数のセグメントにアサインできます。つまり、例えば、最上位のミュージックオブジェクトが「Headshot(頭部へのショット)」というTriggerを使い、その子である全てのオブジェクトも、同じTriggerの「Headshot」を使えます。このような場合、子オブジェクトのTrigger「Headshot」に対して、親レベルで設定したセグメントとは異なるセグメントを、スティンガーとして設定します。これによって自動的に、親の「Trigger・スティンガー」の関係がオーバーライドされるので、ゲームの重要ポイントで再生できるスティンガーの選択肢が増えます。ミュージックオブジェクトの階層において、1つのTriggerで再生できるスティンガーは1つなので、再生されるのは、現在、再生中の子オブジェクトに設定されたスティンガーだけとなります。

スティンガー(Stinger)の追加

ミュージックオブジェクト用のスティンガーは、Music Object Property EditorのStingersタブで、作成します。Wwiseでスティンガーを追加するには、以下の2種類の方法があります:

  • Project Explorerから、ドラッグ&ドロップする

  • Property Editorのボタンを使う

この2種類の方法を組み合わせて使うことも、どちらか一方だけを使うことも、可能です。

[注釈]注釈

プロジェクトからアンロードされたセグメントが、スティンガーに入っている場合は、そのセグメントは黄色にハイライトされます。

Project Explorerから、スティンガー(Stinger)をドラッグ&ドロップして、挿入するには:

  1. Property Editorに、ミュージックオブジェクトを1つロードして、Stingersタブに切り替える。

  2. Project Explorerの、Game Syncsタブから、Triggerを1つドラッグして、スティンガーのリストに入れる。

    Project ExplorerからドラッグしたTriggerを使って、自動的にスティンガーが作成されます。このTriggerはデフォルトとして、どのMusic Segmentにも関連付けられていない(Nothing)。

  3. このTriggerにMusic Segmentをアサインするには、Project Explorerの、Audioタブに切り替えて、Music Segmentを、Segment to Play(再生するセグメント)列までドラッグして入れる。

    このMusic Segmentが、デフォルトで追加された"Nothing"オプションを置き換え、Triggerに関連付けられる。

  4. Play At(再生するタイミング)列で、以下のオプションを1つ選択して、このセグメントをいつ再生するのかを設定する。

    • Immediate: 直ちに切り替え。ルックアヘッドタイム(Look-ahead time)付きのトラックが設定されている場合は、スティンガーはその設定時間が過ぎてから、再生される。

    • Next Grid(次のグリッド) - スティンガーの再生を、次のグリッドで始める。グリッドは、ミュージックオブジェクトをバーチャルに分割する、任意の周波数。

    • Next Bar(次のバー) - スティンガーの再生を、次の小節で始める。

    • Next Beat(次のビート) - スティンガーの再生を、次のビートで始める。

    • Next Cue(次のキュー) - スティンガーの再生を、次のキューで始める。キューとは、エントリキュー、エグジットキュー、またはカスタムキューである。

    • Next Custom Cue(次のカスタムキュー) - スティンガーの再生を、次のカスタムキューで始める。

    • Entry Cue(エントリキュー) - スティンガーの再生を、エントリキューで始める。

    • Exit Cue(エグジットキュー) - スティンガーの再生を、エグジットキューで始める。

  5. 必要に応じて上記2〜4を繰り返し、スティンガーをさらに追加する。

Property Editorのボタンを使って、スティンガー(Stinger)を挿入するには:

  1. Property EditorのStingersタブで、Addをクリックする。

    The Project Explorer - Browser dialog opens.

  2. ミュージックオブジェクトにアサインするTriggerを選択して、 OKをクリックする。

    [注釈]注釈

    このスティンガーで他のTriggerを使用するには、Trigger列で、Browse ボタン (...) をクリックして、使いたいTriggerまで移動する。

  3. Triggerを選択して、OKをクリックする。

    このTriggerが、スティンガーに追加される。

  4. Segment to Play列でBrowseボタン(...)をクリックする。

    Project Explorer-Browserが開きます。

  5. 使いたいセグメント(Segment)まで移動して、OKをクリックする。

    このセグメントが、スティンガーに追加される。

    • Immediate: 直ちに切り替え。ルックアヘッドタイム(Look-ahead time)付きのトラックが設定されている場合は、スティンガーはその設定時間が過ぎてから、再生される。

    • Next Grid(次のグリッド) - スティンガーの再生を、次のグリッドで始める。グリッドは、ミュージックオブジェクトをバーチャルに分割する、任意の周波数。

    • Next Bar(次のバー) - スティンガーの再生を、次の小節で始める。

    • Next Beat(次のビート) - スティンガーの再生を、次のビートで始める。

    • Next Cue(次のキュー) - スティンガーの再生を、次のキューで始める。キューとは、エントリキュー、エグジットキュー、またはカスタムキューである。

    • Next Custom Cue(次のカスタムキュー) - スティンガーの再生を、次のカスタムキューで始める。

    • Entry Cue(エントリキュー) - スティンガーの再生を、エントリキューで始める。

    • Exit Cue(エグジットキュー) - スティンガーの再生を、エグジットキューで始める。

  6. 必要に応じて、スティンガーをさらに追加する。

Defining playback settings for Stingers

1つのミュージックオブジェクト用に、複数のスティンガーを作成できたら、ゲーム中におけるこれらのスティンガーの再生を管理するための設定を、決めます。スティンガーを最大限に活かして使うために、再生に関して考慮すべき点を2つ、以下に示します。

  • 同じスティンガーを、再び再生するまでにあける時間。スティンガーは、ミュージックスコアを盛り上げるために使いますが、同じスティンガーを、間をあけずに何度も再生すると、インパクトが薄れてしまうので、避けてください。

  • セグメントの残り時間が少なく、スティンガーを開始できない場合はどうするか。 トリガーがスティンガーをコールし、そのスティンガーを再生する次の機会が、現在のセグメントでは遅すぎる場合、スティンガーは再生されません。ただし、プレイリストにある次のセグメントの、事前に設定した最初の機会に、このセグメントを再生することができます。なお、このオプションを選択しないと、このスティンガーは再生されません。

スティンガー(Stinger)の再生設定(Playback settings)を設定するには:

  1. Property Editorの、Stingersタブで、Don't play this Stinger again for x seconds (x秒の間、このスティンガーを再び再生しない)フィールドに、そのStingerを再び再生するまでの間隔を、秒単位で入力する。指定された秒数が経過する前に、Triggerが同じスティンガーを呼び出した場合は、このTriggerは無視される。

    [注釈]注釈

    「Don't play stinger again for(このスティンガーを再生しない)」に設定する時間は、スティンガーの同期ポイントから経過した時間、つまりスティンガーのエントリキュー(Entry cue)が発生した瞬間から経過した時間のことです。

  2. 現在のセグメントで、そのスティンガーを再生する時間が充分にない場合に、次のセグメント中に再生させるには、Allow playing the stinger in next segment(次のセグメントでスティンガーを再生する)オプションを選択する。

    [注釈]注釈

    本オプションを選択しないと、このスティンガーは再生されません。

スティンガーの削除

不要となったスティンガーは、削除できます。

スティンガー(Stinger)リストから、スティンガーを削除するには:

  1. Stingersタブで、削除するスティンガーを選択する。

  2. Removeをクリックする。

    選択したスティンガーが、リストから削除されます。

    [注釈]注釈

    スティンガーを削除しても、それに関連したTriggerや、Music Segmentには、影響しません。

スティンガー(Stinger)の試聴

Stingerセグメントを作成してから、Transport Controlでそれを単独に視聴したり、別のセグメントと共に視聴して他のミュージックの上に重ねて再生した時のインパクトを確認したりできます。スティンガーは、階層の様々なレベルで作成できるので、複数のセグメント設定で、同じTriggerが使われている場合があります。ただし、ミュージックオブジェクトの階層において、1つの特定のTriggerによって再生できるのは、1つのスティンガーに限られ、どのスティンガーを再生するかは、子オブジェクトによって決まります。例えば、Music Switch Containerレベルで、「Headshot(頭部へのショット)」というTriggerを使うスティンガーを作成した場合、同じ「Headshot」Triggerを、子オブジェクトのPlaylist Containerにあるスティンガーにも使っている場合は、このMusic Switch ContainerをTransport Controlにロードして、Triggerを呼び出すと、Playlist Containerのスティンガーだけが再生されます。

さらに、Soundcasterでシミュレーションを作成して、そのシミュレーションをProfiler機能でプロファイリングして、パフォーマンス問題をモニターできます。シミュレーションやプロファイリングについては、以下を参照してください。

[注釈]注釈

プロジェクトからアンロードされたセグメントが、スティンガーに入っている場合は、セグメントは黄色にハイライトされます。このスティンガーセグメントが入ったワークユニットを再びプロジェクトにロードするまで、このスティンガーの試聴ができません。

Transport Controlで、スティンガー(Stinger)を試聴するには:

  1. Transport Controlに、スティンガーセグメント(Stinger segment)をロードする。

  2. Play アイコンをクリックする。

    このスティンガーセグメントが再生される。

再生中のミュージックに、スティンガー(Stinger)を重ねて試聴するには:

  1. Transport Controlにミュージックオブジェクトを1つロードする。

  2. Playアイコンをクリックする。

    Transport Controlにロードされたミュージックオブジェクトが再生される。

  3. ゲームシンクのエリアで、Triggersボタンをクリックして、Triggerリストを表示させる。

  4. Call Triggerアイコンをクリックする。

    該当するスティンガーが、再生中のミュージックオブジェクトに重ねて再生される。さらに他のTriggerを自由に選択して、それぞれのスティンガーを再生させることで、ゲーム中に様々なスティンガーが再生される様子をシミュレーションできる。


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