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Time Stretch

Time Stretchプラグインを使用することで、オーディオ信号のピッチに影響を与えずに速度や長さを変更できます。再生中の時変性タイムスケーリング比率により、タイムストレッチとタイムコンプレッションの両方が可能です。このプラグインは、モノフォニックおよびポリフォニックサウンドの両方での使用に適しています。

[注釈]注釈

このエフェクトは、Actor-Mixer Hierarchy内でのみ使用可能です。Interactive Music Hierarchy内で使用することも可能ですが、これはインタラクティブミュージックのコンテキストにおいて好ましくない方法でタイミングに影響を与えるためお勧めできません。


[警告]警告

ストリーミングされたアセットのタイムコンプレッションは推奨されておらず、必要とされるスループットが大きいためソースの枯渇を引き起こす可能性があります。一方、ストリーミングサウンドに対するタイムストレッチは、問題とはなりません。

Choosing the window size

ウインドウサイズパラメータの選択は、クオリティの高い成果を生み出すための重要なステップです。デフォルト値(2048)は、ほとんどのコンテンツに対してうまく機能しますが、このパラメータのチューニングは、できるだけ少ないアーチファクトで最良のタイムスケーリングエフェクトを得るために不可欠です。より大きなウインドウサイズを設定すると、より良好な周波数分解能を得ることができますが、時間ドメイン分解能度の精度は低くなるので、過渡信号がより不鮮明になります。従って、ウインドウサイズパラメータは、時間分解能と周波数分解能の間の妥協点となります。

理想のウィンドウサイズは、オーディオコンテンツによって異なり、アタックの多い信号(パンチ、ドラム、爆発など)は小さいウィンドウサイズの方がメリットがあるのに対し、フリーケンシコンテンツがより安定しているハーモニック信号(ボイス、楽器など)は、精度の高いフリーケンシー解像度を提供し、大きいウィンドウサイズパラメータ値の方が有利と考えられる。

大きなタイムストレッチ設定の適用により信号を非常に遅くしたい場合、大きめのウインドウサイズパラメータ値が望ましい場合が多くなります。これは、サウンドが非常にゆっくり再生されると周波数分解能が極めて顕著になるためです。

Algorithm choice

Time Stretchプラグインには2つのタイムストレッチアルゴリズムがあり、Wwiseバージョン2021.1以前のClassicモードと、Transient Preservingモードのどちらかを選択できます。Transient Preservingモードは品質レベルやステレオ処理をさらに微調整できる制御機能を提供します。

Time Stretch properties

Time Stretchプラグインにはいくつかのプロパティがあり、プロパティの多くはリアルタイムで編集することができ、RTPCを使用して特定Game Parameterにマッピングすることができます。

項目

内容

Name

エフェクトインスタンスの名前。

エフェクトインスタンスは、エフェクトのプロパティ設定をまとめたものである。カスタムインスタンスとShareSetの2つのタイプがある。カスタムインスタンスは1つのオブジェクトだけに使用できるのに対し、ShareSetは複数のオブジェクト間で共有できる。

オブジェクトのカラーを示します。アイコンをクリックすると、カラーセレクタが開きます。

カラーを選ぶと、オブジェクトに適用されます。オブジェクトのカラーを選択すると図示の通り選択したマスにパレットアイコンと、右下に黄色い三角形が表示されます。

親オブジェクトのカラーを継承するにはカラーセレクタの左端にあるマスを選択します。

Inclusion

SoundBankを生成する時にエレメントを含めるかどうかを指定する。選択すると、このオブジェクトが含まれる。選択しないと、含まれないことを示す。

サウンドデザインをプラットフォームごとに最適化するために、一部のエレメントを特定のプラットフォームで除外することができる。デフォルトで、このチェックボックスは全プラットフォームに適用される。チェックボックスの左側にある Linkインジケータ を使用し、エレメントをアンリンクする。その後にチェックボックスの状態をプラットフォームごとにカスタマイズできる。

このオプションを選択しないと、エディタのプロパティオプションや動作オプションが設定ができなくなる。

Default value: true

このオブジェクトを直接参照する、あなたのプロジェクトにある要素の数を示します。アイコンの色は、このオブジェクトを参照するものがあればオレンジ色、参照するものがなければ灰色です。

ボタンを選択すると 「Referenceビュー」 が開き、 References to: フィールドにオブジェクト名が表示されます。

Notes

エフェクトに関する追加情報。

Metering

Meterで測定中のオブジェクト名を示す。

Meterで測定できる、ほかのファイルを閲覧。

[注釈]注釈

Meterインターフェースの要素は、VUメーターの入っているEffectのEffect Editorだけに表示されます。

Effect Editorで選択したタブの、表示方法を設定。デフォルトで、1つのパネルに、選択中のタブが1つだけ表示される。スピリッターボタンをクリックすると、パネルが左右または上下に2分割され、2つの異なるタブが表示される。現在選択中のオプションが、バックグランドカラーを入れてハイライトされる。

[注釈]注釈

同じタブを2つのパネルに表示させることはできない。すでに選択中のタブを、もう1つのパネルでも選択すると、他方のパネルに自動的に別のタブが表示される。

Time

Time Stretch

オリジナルサウンドのデュレーション(持続時間)の割合。100% はタイムストレッチなし、200%は2倍の長さに対応する。同様に、50%を使用してサウンドのデュレーションを半分にし、タイムコンプレッションをすることも可能。この値は、RTPCをサポートしており、追加的なアーチファクトなしに再生中にスムーズに変更することができる。

単位: % of original duration(オリジナルデュレーションの%)

Default value: 100
Range: 25 to 1600

Time Stretch Random

ランダム量で指定されたタイムストレッチファクタを、プラスまたはマイナスのタイムストレッチランダム値までオフセットする。これは、タイムストレッチが適用される音声の全持続期間において有効。再生中に受信されるRTPC は、次の再生時に考慮される。

単位: % of original duration(オリジナルデュレーションの%)

Default value: 0
Range: 0 to 200

Pitch

Pitch Shift

このパラメータ(セント単位)で指定した量だけピッチが上昇または下降する。つまり、+1200 セントは1オクターブ上、-1200セントは1オクターブ下に、転置される。 この値は、RTPCをサポートしており、追加的なアーチファクトなしに再生中にスムーズに変更することができる。

単位: cents

Default value: 0
Range: -4800 to 4800

Pitch Shift Random

ランダムな値で指定されたピッチシフト量を、ピッチシフトランダム値のプラスまたはマイナスまでオフセットします。これはピッチシフトを適用するボイスの持続期間の最後まで有効です。再生中に受信されるRTPC は、次の再生時に考慮される。

単位: cents

Default value: 0
Range: 0 to 4800

Quality「クオリティ」

Window Size

ウインドウサイズが大きくなると、より良好な周波数解像度を得ることができるが、過渡信号がより不鮮明になる。従って、このパラメータは、時間解像度と周波数解像度の間の妥協点となる。このパラメターの値を選択する方法についての詳細は、上記セクションを参照。

単位: サンプルフレーム(Sample frames)

Default value: 2048
Range: 256 to 8192

Stretch Mode

使用するタイムストレッチアルゴリズムのバージョン。

以下のオプションから選択する。

  • Classic:タイムストレッチはWwiseバージョン2021.1以前のアルゴリズムを使用します。

  • Transient Preserving:タイムストレッチは改善されたアルゴリズムを使用します。このモードを選択した場合はQuality Levelスライダでアルゴリズムのパフォーマンスを微調整することが可能となり、複雑なステレオミックスの処理がStereo Processing制御で改善されます。

Default value: Classic

Quality Level

改善されたタイムストレッチアルゴリズムのパフォーマンスを詳細に制御することを可能としますが、そのトレードオフとして音質が低下します。この制御を利用できるのはStretch ModeをTransient Preservingに設定した場合のみです。

Quality Levelを100にした時は音のすべての部分が処理されます。レベルを下げるとアルゴリズムのCPU需要が低下して音質が影響を受けます。具体的には、クオリティスライダを下げた時にCPU消費を減らすために入力音のスペクトルを部分的にスキップして計算を行うため、軽いノイズフロアまたは位相効果が発生します。

Performance MonitorでCPU %値を監視しながらこのパラメータの微調整を行うことを推奨します。

Default value: 100
Range: 0 to 100

Output

Output Gain

潜在的なゲインのロスを補うダイナミックコンプレッションの後に、出力信号に適用されるゲインの量。

Default value: 0
Range: -24 to 24
Units: dB

Stereo Processing

ステレオ入力の処理に使用する方式。この制御を利用できるのはStretch ModeをTransient Preservingに設定した場合のみです。

以下のオプションから選択する。

  • Left Right:ステレオ入力を通常通りに処理します。

  • Center Cut:タイムストレッチを適用する前にステレオ入力を左、センター、右のコンポーネントに分割します。その後、左と右のチャンネルとして再構築します。Center Cut処理を適用するのはステレオ(2チャンネル)入力のみです。

Transient PreservingタイムストレッチモードはClassicストレッチモードより音のフェーズに与える影響が大きいため、複雑なステレオミックスをよりよく維持する方法としてCenter Cutオプションを提供します。

Default value: Left Right


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