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Wwise SDK 2023.1.4
2018.1 新機能概要

ユーザーインターフェースのThemesのカラーと、カスタマイゼーション

Wwiseインターフェースの見やすさや色分けに関する多くの要望に応え、Wwise 2018.1では、新たにDark UIを取り入れました。新スキンは、テキスト、色分けされたカーブ、その他のグラフィック要素が見やすくなり、今までにない魅惑的なWwiseインターフェスが実現しました。これまで通りのルックスの方がいい常連ユーザーは、Classic版を使い続けることができます。ClassicとDarkの中間を望むユーザーはUIをカスタマイズすることもでき、brightness(明度)、contrast(コントラスト)、hue(色相)、saturation(彩度)を変えられます。

ユーザーインターフェースのアフォーダンス

UIの細かい改善が、スペースの有効利用、分かりやすさの向上、ユーザーの抵抗感の払しょくなどにつながります。ユーザーがすぐに気付くようなWwise 2018.1の改善点を、ここで紹介します:

  • メインメニューを、アプリケーションのタイトルバーに移動しました。
  • 機能名入りボタンのStart CaptureやFollow Capture Timeなどをアイコンに置き換え、スペースを節約しました。
  • 一部のアイコン、例えばSave、Load Presets、Pin、View Settingsなどは、機能がよく分かるようにデザインを変えました。
  • 色盲のユーザーにも分かりやすいように、新テーマのDarkでは、複数のボタンとすべてのスライダーの色を青からオレンジに換えました。
  • MuteとSoloのアクティブボタンの色を変更しました!新しい色は、Muteが青、Soloが黄です。

タブを縦または横に分けるスプリッター

タブがあるビューの多くで、タブを縦または横に分割できるようになり、オブジェクトの詳細を同時に2種類のタブで確認できるようになりました。例えば、General SettingsタブとRTPCタブの両方を同時に見ることができ、大変役に立ちます!

オブジェクトの色


Wwiseのすべてのオブジェクト(Project Explorerで選択できる、文字通りすべてのオブジェクト)に、カラータグを設定できるようになりました。ユーザーは、オブジェクトのステータスやオーナーなど、カテゴリ関連の自分で設定した条件に従い、オブジェクトを識別しやすくできます。その上、Project SettingsでProjectカラーをプロジェクトごとに変えて、プロジェクト別のMenuバンドの色を設定できます。同時に複数のプロジェクトで作業するユーザーは、探しているプロジェクトを一目で判別できます。

Timeモジュレータ

Timeは、RTPCカーブと合わせて使い、プロパティの自動化(automation)を時間軸にそって設定できる新しいモジュレータです。Timeモジュレータを、RTPCが設定できるプロパティに設定することで、複雑なボリュームエンベロープ、ピッチランプ、フィルターモジュレーションなど、時間の経過とともに変位するクリエイティブな応用設定を、簡単に作成できます。

Contents Editorの列の形式の変更

Contents Editorビューでもほかのリストビューと同じ機能セットを利用できるように、アップデートされました。具体的には、列のサイズを変更したり、プロパティの列をソート、追加、削除したり、SwitchをAssigned Objectsにアルファベット順に並べたり、オブジェクトにフィルターをかけて表示したりできます。

コンテキストヘルプ

新しいProperty Helpビューに、選択中のプロパティの具体的な説明が表示されます。特定のプロパティについて簡単に知りたい場合や、特定のプロパティの単位や範囲などを知りたいユーザーにとって、非常に便利なビューです。Property Helpビューは、中国語、日本語、そして韓国語でも表示できるので、これらの言語のユーザーにも分かりやすい機能です。

Capture Logの改善点

Capture Logビューで、うれしい改善点がいくつかあります:

  • ゲームをプロファイラーに接続すると、その接続前に起きたエラーもCapture Logのリストに表示されます。
  • Capture Logビューも、Wwiseのほかのリストビューと同じ機能を公開しているので、ユーザーは、列の見え方や順番などをカスタマイズできます。
  • サーチ機能の対象が、全セルに広がりました。

UIやワークフローのその他の改善点

  • 複数のビューで、キーボードのTabを使い移動できます。
  • バスをMaster Mixer Hierarchyでコピー・ペーストできます。バスのプリセットの保存やロードも、可能です。
  • エフェクトを、あるオブジェクトから別のものにコピーできるようになりました。
  • ユーザーがAdvanced ProfilerビューのVoices Graphタブで、エフェクトをダブルクリックすると、Effect Editorが直接開きます。
  • コンテキストメニューの"New Child"から、すべてのソースプラグインが露出されるので、素早く新しい階層を作成できます。
  • Sound SFXを作成後に、それをSound Voiceとして変換できます(その逆も可能)。
  • 様々なビューでスプリッターをさらに追加したので、コンテンツが整理しやすくなりました。
  • Event Editorのプレゼンテーションのワークフローが最適化され、フェードアイコンが追加されました。
  • ユーザーがStatesタブの各State Groupで選択した展開・縮小の表示が、維持されるようになりました。
  • Project Explorerで、ドラッグしながらオートスクロールすることが可能になり、展開・縮小のオプションやコマンドが更新されました。
  • プロジェクトのサーチビューに表示されるサーチ結果が、それらの間を移動する際にも表示され続けるようになりました。

3D Meter

3D Meterは、再生される音場を球体として表現します。リスニングポイントは球体の中央にありますが、分配されるソニックエネルギーを球体の外から、標準的なFront、Back、Top、Perspectiveといったビューから見えます。

3D Meterは、リスナー周りのオーディオソースの分配や音の大きさの分析を補助し、開発に貴重な機能を提供します。ピークメーターと似て、3D Meterもグラデーションカラーでリスナー周りの信号の音の大きさを表し、このカラー区分のボリュームスレッショルドは、自由に変更できます。

Wwise Motion


新しいソースプラグインWwise Motion Sourceの導入で実現した、Motion機能の改善点:

  • より厳密なアクチュエーターエフェクト;
  • プラットフォームから独立したワークフロー、および、
  • 柔軟性を拡充させ、今までのADSR、Period、そしてPeriod Multiplierの設定の代わりに、Timeモジュレーターのカーブを導入。

さらに、Factory Presetをいくつか作成し、様々なハプティックフィードバックのイベントや、プラットフォーム別の適用例などを提供。Factory Presetを入手するには、ProjectメニューでImport Factory Assetsを選択し、Wwise Motionを確認します。

注釈: 旧Wwise Motion Generator プラグインは継続して利用できますが、非推奨です。

OPUSコーデック


OPUSコーデックが、全プラットフォームでサポートされています。Opusは、CPUを少し余分に確保するだけでWwise Vorbisに匹敵する品質を保ちつつ、さらに圧縮できるので、ファイルサイズを特に縮小する必要があるときは、Wwise Vorbisの代替案として非常に有効です。これらのコーデックを組み合わせて使い、両者の長所を利用することで、ファイルサイズやCPUの競合するニーズに対応できます。

Opusを使ったループやシークについて


Opusでは、シークやループ用のシークテーブルは不要ですが、その分、CPU負荷が高くなり、ディスクアクセスが増えます(ストリーミングの場合)。これを念頭に、Opusの利用はシークやループのニーズが最小限または皆無のサウンドに制限すべきです。なお、ファイル冒頭のシークやループは軽度なので、このような余計なコストがありません。

Resource usage - リソースの消費 - OpusとVorbisの比較:


試聴テストの結果をlistening-test.coresv.netで見る限り、Opusコーデックの方がVorbisよりも、同程度のビットレートでの音質評価がやや高いようです。同じファイルサイズで音質が高い方が、一見、有利なように思えますが、品質が多少なりにも高い裏には、Opusの方がWwise VorbisコーデックよりもCPU負荷が4倍から5倍も高いという現状があります。とはいえ、何千ものダイアログラインや、長いSFXや、ループなしの単一ストリームミュージックなどを圧縮するには最適の選択です。

VorbisとOpusのCPU使用の比較

Opusとほかのコーデックのオーディオ品質の比較についてさらに詳しく知るには、https://opus-codec.org/comparison/を参照してください。

Wwise Recorderプラグインの改善

RecorderプラグインでAmbiX フォーマットのレコーディングが可能になり、WwiseのAmbisonicsファイルフォーマットのサポートが強化されました。

WAAPI - SoundBankの新しい機能とトピック

新しいコマンドが、ak.wwise.ui.commands.executeやキーボードショートカットで提供され、SoundBankを生成したり、そのタスク終了後に自動的にSoundBank生成のダイアログを閉じたりすることができるようになりました。

その他の新しいコマンド

実験的機能

アーリーアダプターは、実験的機能がいくつか公開されたことを喜ぶでしょう。実験的機能とはまだ開発フェーズにある機能で、Wwiseの今後のリリースでさらに発展させていきます。機能セットが不完全であったり、パフォーマンスに改善の余地があったりしますが、関心のあるデベロッパー向けに、今後の機能として公開されています。

オーディオレンダリングのパラレル実行

  • サウンドエンジンがゲームエンジンのジョブスケジュラーに個別のボイス処理やバス処理のタスクを発行し、タスクを複数のCPUコアでパラレル実行できるようになり、利用可能なCPUリソースの活用が改善され、システム全体の効率が高まります。

ジオメトリによる回折

スペーシャルオーディオのジオメトリのAPI:

  • ワールドのジオメトリ周りのパスを計算し、エミッターからの音がリスナーに到達するまでに、どれだけ回折すべきかを判断します。
  • オブストラクションを適用する(Volume、LPF、HPFをサウンドパスごとに処理する)か、RTPCにバインドすることで、Rooms and Portals APIと同様にレンダリングします。
  • Rooms and Portalsと合わせて使うことができます。ジオメトリックAPIの方が、ポータルだけを使った場合よりも細かく回折のモデル化を行える一方、ルームやポータルは大まかな効果をCPU負荷を押さえて実現できます。
  • ジオメトリによる回折をスペーシャルオーディオエミッターに対して使う場合に、オブストラクション値を判断するために、クライアント側の可視性のレイテスト(ray-test)が不要になりました。

Wwise Reflect - 回折リフレクション


  • リフレクションパス(reflection path)の回折は、Wwise 2017.1でよくみられた、イメージソースが突然現れたり消えたりし、瞬時に可聴性が変化する問題を解消するために、2種類のモデル化を行っています。
  • 鏡面反射でない(non-specular)リフレクションは、面のエッジにおいてモデル化し、鏡面反射のエリアにスムーズにフェードインするようにします。
  • リフレクションがほかの面のオブストラクションを受ける場合は、ダイレクトパスに似た方法で回折させ、可視エリアにスムーズにフェードインするようにします。

反射する2つの壁の間にある、エミッターとリスナー:

  • 最初に、2つの鏡面反射:

  • 次に、2つの非鏡面反射:

Positioning Tabの強化

簡単に使えるようにすることを目的に、Positioningタブで、複数のプロパティをわずかに移動させたり、名前を変更したりしました。新しいオプションも、いくつか導入されました。主な変更の概要:

R.I.P. 2D/3D

ゲームオーディオの分野で、2D/3Dの概念は1990年代からありました。しかしスペーシャルオーディオ分野が広がり複雑化するにつれ、これらの用語が足かせとなり、時には誤解を生むこともあります。意味の明確化と、今後の開発を視野に、以下のように名前を変えました:

  • “2D”を今後は“Speaker Panning”と呼ぶこととし、現在は2つのオプションがあります:
    • Balance-Fade(今までの“2D Panner”のこと)
    • Direct Assignment
  • “3D”を今後は“3D Spatialization”と呼ぶこととします。

真新しい機能として、Speaker Panningと3D Spatializationの両方を設定し、ランタイムにミックス値を使い、相互に補間できます。このSpeaker Panning / 3D Spatialization MixプロパティをRTPCに付け加えれば、例えば一方のモードから他方へのトランジションを、スムーズに行えます。

リスナー周りのポジショニングパスの作成を可能にした3D User-defined機能も、名前が変わりました。Automation”とし、その機能を明確にしました。もう1つの新しい機能として、リスナー周りのオートメーションに合わせて、エミッター周りにオートメーションパスを作成することができるようになりました。

最後に、2つのチェックボックスの名前を変え、動作はそのままで、目的を分かりやすくしました。

  • "Follow Listener Orientation"の名前を、"Hold Listener Orientation"に変えました。
  • "Update at each frame"の名前を、"Hold Emitter Position and Orientation"に変えました。

Wwise Reflectの改善

  • 各種Acoustic Textureに割り当てられた色を使い、Game Object 3D Viewerでプロファイリングできるようになり、3Dアプリケーションがどこで、どのAcoustic Textureを使っているのかを識別するのに、大変便利です。
  • ディレイラインを細かく設定できるようになり、リフレクションに対するドップラー効果を減少させたり活用したりできるようになりました。

Unity Integrationの改善

  • プロファイラーが使うコミュニケーション設定を、Unity Editorに対して公開しました。
  • APUヒープサイズがUnity Integrationから設定できるようになりました。
  • 新しく追加されたC# WAAPI Clientクラスのおかげで、Wwise AuthoringツールとWAAPI経由でやり取りするためのスクリプトを、ユーザーが自分で書けます。
  • 様々なメモリプールサイズを定義するWwiseの初期化設定を、プラットフォームごとに、Unity Editorから定義できます。

UE4 Integrationの改善

  • EventとSoundBankのコールバックを、Blueprintに対し公開しました。

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