Wwiseの基本的なアプローチ

目次

Auxiliary Sendを設定する

これまでの演習でAuxiliary Busを作成し、そのバスにRoomVerb Effectを挿入してリバーブを追加しました。ここではMain Character Actor-Mixer階層の下にある、すべてのオブジェクトに作成したバスをアサインします。これにより、通路内のメインキャラクタによって作り出されたサウンドにリバーブ効果が適用されます

これには2つの方法があります。最初にユーザ定義を使った方法を紹介します。

  1. Project ExplorerでMain Character Actor-Mixerを選択します。

  2. Property EditorでRoutingを選択し、次にSet User-Defined Auxiliary Send 0ボタンをクリックします。

  3. Project Explorer - Browserが表示されたら、env_corridor Auxiliary Busを選択してOKをクリックします。

    [Tip]

    すばやくセンドを追加するには、Project ExplorerからUser-Defined Auxiliary SendsリストにAuxiliary Busオブジェクトをドラッグ&ドロップします。

  4. この変更をテストするには、Main Character Actor-Mixerを展開してBody_Impact Sound SFXオブジェクトを選択し、スペースバーを押してオブジェクトを再生します。リバーブ効果を耳で確認します。

    リバーブ効果が非常に弱いため、センドボリュームを上げます。

  5. Main Character Actor-Mixerを選択し、Property Editorでenv_corridorのVolume12に上げます。

  6. Body_Impact Sound SFXオブジェクトを再度選択し、スペースバーを押してオブジェクトをもう一度再生します。リバーブ効果が大きくなったことを耳で確かめます。

    オブジェクトからAuxiliary Busに信号を送る2つ目の方法では、ゲーム自体がWwiseにメッセージを送信して、サウンドの送り先のAuxiliary Busとレベルを伝えます。Cubeはこの方法に対応した設計となっています。Cubeのマップを歩き回ると、レベルエディタの設定したゾーンでは、プレイヤーがゾーンに入ると、特定のAuxiliary Busへ送られるAuxiliary sendボリュームが上がり、プレイヤーがゾーンを出ると、これが下がります。こうして、プレイヤーの位置情報に基づいて、リバーブをダイナミックに変化させることができます。

    この方法を使うには、最初にUser-Defined Auxiliary Sendsグループからenv_corridorを削除する必要があります。

  7. Project ExplorerでMain Character Actor_Mixerを選択します。次にProperty EditorのSend 0の下にある選択肢ボタンをクリックして、Noneを選択します。

  8. Game-Defined Auxiliary Sendsの下にあるEnableチェックボックスを選択します。

    これでMain Character Actor-Mixer内のオブジェクトは、ゲームプレイに応じたenv_corridor Auxiliary Busのセンド量の増減に関するWwiseゲームコールを認識することができます。

    [Tip]

    Use game-defined aux sendsチェックボックスの下にあるVolumeコントロールは、ゲームエンジンから送信される値をオフセットするために使います。プログラマに調整してもらわなくても、自分で好きなように調整できます。

    このモジュールをはじめる時に、Cubeゲームを起動してWwiseをCubeゲームに接続しました。

  9. Cubeに戻り、矢印の方向に通路を歩いてみます。

    通路に入ると、右下に「env 194525」と表示されます。これはゲーム定義のAUXセンド量を上下させる信号を、Wwiseに送る環境オブジェクトのID番号です。

  10. スペースバーを押してジャンプします。プレイヤーのジャンプ音にリバーブが適用されていることを耳で確かめます。

    現実世界の場合と同様に、リバーブ効果は微かに分かる程度です。

  11. Wwiseに戻ります。Master-Mixer Hierarchyでenv_corridor Auxiliary Busを選択します。セカンダリエディタでRoomVerbの設定を調整します。例えば好みのサウンドになるように、Decay timeHF dampingを調整します。

  12. Cubeに戻って、ゲームで変更をテストします。

  13. ゲームを終了するには、Esc を押し、矢印で上下に移動してquitを選択し、次に Enter を押します。

よくできました。モジュール14を終了しました。このモジュールでは、まずテレポートのサウンドにDelay Effectを追加し、エキサイティングなテレポートに既存のサウンドをよりフィットさせました。次にRoomVerb Effectを追加したAuxiliary Busを作成して、リバーブを生成しました。最後に作成したバスをMain Characterサウンドのすべてに適用しました。これによりCubeゲームの狭い通路内でプレイヤーが発する音にリバーブ効果が適用され、現実世界と同じような聞こえ方をするようになりました。

次のモジュール15:Soundcasterの使用では、複数のオブジェクトを同時に試聴する方法を学びます。


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