目次
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モジュール
Actor-Mixer Hierarchyでオブジェクトが別のオブジェクトの下にネストされている場合、それがネストされている各オブジェクトの対応するプロパティに従って、Voice Volumeなどの数値プロパティはすべてオフセットされます。例えば、Sound SFXのVoice Volumeが-5に設定されていて、Voice Volumeが-2のActor-Mixerの下にネストされている場合、Sound SFXはボリューム-7で再生されます。
同様に、オブジェクトがルーティングされるMaster-Mixer Hierarchy内の各バスのVoice Volumeによって、これらのプロパティがさらにオフセットされることがあります。
この概念を視覚化することは難しいため、子オブジェクトを見てこれらのオフセットを確認することはできません。そのためVoice Profilerを使用して、オフセットがアクティブになっているかを確認します。
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メニューバーでLayouts > Voice Profilerをクリックします(またはF11)。
Voice Profilerレイアウトが開きます。Voice Inspector Dataを有効にしていない場合は、有効にする必要があります。
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歯車ボタンをクリックします(またはAlt+G)。
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Profiler Settingsダイアログが表示されたら、Voice Inspector Dataを選択してOKをクリックします。
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ツールバーでStart Captureボタンをクリックします。
レイアウトの一番下にあるVoice Monitorグラフの上を黄色のカーソルが移動します。Voice ExplorerではTeleporterがアクティブボイスとして表示されています。
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Voice ExplorerでTeleporterを選択します。
Voice Inspectorの左ペインにはオーディオ信号の流れを示すダイアグラムが表示され、Teleporterのオーディオが'Master Audio Busにルーティングされることが分かります。Voice Inspectorの右ペインではTeleporterの最終的なボリュームに影響を与える3つのオブジェクトを確認できます。Teleporter Sound SFX、Items Actor-Mixer、そしてMaster Audio Busです。
Volume列の「-」は、現在オフセットがないことを示します。それでは、これら3つのオブジェクトのVoice Volumeを調整すると、一番上の行のFinal Volumeがどのように変化するのかを見てみましょう。
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Voice Inspectorの右ペインでTeleporter行をダブルクリックします。
Teleporterオブジェクトタブが別のウィンドウに表示されます。
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TeleporterオブジェクトタブでGeneralを選択し、Volumeを-6に下げます。オブジェクトタブを閉じます。
Teleporterのボリュームが小さくなっていきます。またVoice Insepectorを見ると、TeleporterのVoice Volumeが-6になっているのが分かります。Volume列の一番上にあるFinal Valueの計算値も-6 dBと表示されています。
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Voice Inspectorの右ペインで、 Items 行をダブルクリックします。
Itemsオブジェクトタブが別のウィンドウに表示されます。
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ItemsオブジェクトタブでGeneralを選択し、Volumeを-4に下げます。オブジェクトタブを閉じます。
Voice Inspectorの右ペインにItemsの新しい値が表示され、Final Valueが-10 dBになります。
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Master Audio Bus 行をダブルクリックします。
Master Audio Busオブジェクトタブが別のウィンドウに表示されます。
次にGeneral Volumeプロパティを調整しましょう。すべてのオブジェクトは最終的にMaster Audio Busを通過するため、これらのGeneralプロパティを1つでも調整することは、プロジェクト内のすべてのオブジェクトに対して調整を行うことと同じになるため、ご注意ください。
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Master Audio BusオブジェクトタブでGeneralを選択し、Volumeを-3に下げます。
ここでAudio BusのVolumeを調整します。これにより、すべてのソースからこのバスに送られる合計信号が増減します。
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Audio Busを選択して、Volumeを-2に下げます。オブジェクトタブを閉じます。
Voice Inspectorの右ペインにMaster Audio Busの新しい値が表示され、Final Valueが-15 dBになります。
左ペインでは、Teleporterが-13、Master Audio Busが-2と表示されます。その理由は、Audio BusのVolume以外の入力値が合算されてからMaster Audio Busに送られ、最終調整値の-2 dBが適用されたためです。
Master Audio Busに挿入されたEffectがある場合は、そのEffectが処理された後に-2 dBが適用されます。バスにEffectを追加する方法については、モジュール14:各種Effectの使用を参照してください。
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スペースバーを押してTeleporterサウンドの再生を停止してから、Stop Captureボタンをクリックします。
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メニューバーでLayouts > Designerを選択すると(またはF5)、別のモジュールを開始する準備が整います。
この例では、Sound SFXオブジェクトがActor-Mixerオブジェクトの下にネストされている場合、Voice Volumeがどのように合算されるのかを知ることができました。どのようなタイプのオブジェクトであっても、Voice VolumeやLow-pass filterなどの数値プロパティがある別のタイプのオブジェクトの下にネストされると、同じようになることを覚えておいてください。例えばRandom Container、Sequence Container、Switch Containerなどがあります。またネストの深さに制限はありません。
この積算方式は、Output Busのように絶対値が設定されるプロパティには適用されません。
おめでとうございます。モジュール12を終了しました。このモジュールでは、ミキシングとMaster Audio Busについて学びました。またVoice Profilerレイアウトを使い、オブジェクトのネスト構造や通過するパスをすべて考慮して、オブジェクトの最終ボリュームがどのように決定されるのかを確認しました。
次のモジュール13:追加のオーディオバスを使ったサブミキシングでは、環境サウンド、サウンドエフェクト、音楽用に個別のバスを作成する方法を学びます。