目次
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モジュール
風を切るwoosh音と魔法の再チャージ音が設定できたので、次に再生のタイミングを調整します。ゲームエンジンのプログラマに各サウンドのGame Callを提供してもらい、Wwiseで対応するEventを作成できますが、氷のジェムの発射、杖を振るwoosh動作、そして魔法の再チャージはすべて同じアニメーションの一部であり、アニメーション自体は不変であるため、これらの各動作の間隔は予測できます。プロジェクトには氷のジェムの発射に使えるFire_IceGem_Player Eventがすでにあるため(Eventの作成に関する詳細については、モジュール1:サイレンスからサウンドへをご参照ください)、そのEvent後の事前に決めた時間に、woosh音と魔法の再チャージ音をトリガーさせるだけです。これはPlayアクションを遅延させることで実現できます。
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Project ExplorerでEventsタブを選択してDefault Work Unitを展開し、次にFire_IceGem_Player Eventを選択します。

モジュール1:サイレンスからサウンドへで設定したPlay IceGem_Blastアクションが右側のEvent Editorに表示されます。1つのEventで実行可能なアクション数に制限はないため、この既存のEventにGem_Rechargeオブジェクトを追加します。
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Project ExplorerでAudioタブを選択します。Shiftキーを押した状態でGem_Recharge_MagicとGem_Recharge_Wooshオブジェクトを選択します。
![[Note]](/images/wwise101/?source=wwise101&id=note.png)
もしShiftキーを最初に押し忘れた場合、Gem_Recharge オブジェクトの一つをクリックした瞬間に、Event EditorがProperty Editorに変わり、次のステップへ進むことができません。
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選択したオブジェクトをEvent Editorのアクションペインにドラッグします。

2つのオブジェクトがEvent EditorのIceGem_Blastの下に追加されます。
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Project ExplorerでEventsタブを選択し、次にFire_IceGem_Player Eventをもう一度選択します。スペースバーを押して、このEventを再生します。
アクションは一覧で表示されていますが、ブラスト音、woosh音、魔法のチャイム音が同時に再生されることに気が付きます。各サウンドをアニメーションのシーケンスに合わせるために、サウンドごとに値を設定して遅らせます。
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Event EditorでGem_Recharge_Magicを選択します。

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Event Editorの右上隅にある、展開表示用の三角印をクリックします。
選択中のアクションに関係するすべてのプロパティが、右側のペインに表示されます。

ゲームでは杖が画面外に振られると魔法で再チャージされますが、これはWwizardが氷のジェムを発射してから約0.7秒後です。
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Gem_Recharge_MagicのDelayプロパティをクリックし、0.7と入力してからEnterを押します。

次にwooshサウンドでも同じ操作をしますが、ディレイを短くします。もし全アクションのDelayプロパティを同時に確認できれば、それらの再生順序が簡単に分かり、便利なはずです。Event Editorの左ペインのアクションリストに、プロパティ列を追加しましょう。
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どの列でもよいので、ヘッダ部分を右クリックしてConfigure Columnsを選択します。

Object Property Settingsウィンドウが表示されます。
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Otherの項目を展開し、Delayを選択してからOKをクリックします。

すべてのアクションのDelayプロパティが表示されます。
![[Note]](/images/wwise101/?source=wwise101&id=note.png)
左側のアクションペインにDelay列が表示されていない場合は、Event Editorの2つのペインの間の境界線を右にドラッグして、Delay列を表示させます。
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Gem_Recharge_WooshのDelay値を0.5に変更し、 Enter を押します。

![[Tip]](/images/wwise101/?source=wwise101&id=tip.png)
Delay列のヘッダをクリックして、コンテンツを時系列に沿ってソートします。
このモジュールをはじめる時に、Cubeゲームを起動してWwiseをCubeゲームに接続しました。ゲームに接続しているため、氷のジェムの発射シーケンス全体だけでなく、ゲーム内のwooshサウンドや魔法の再チャージサウンドもSoundBankを生成することなくテストできます。
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Cubeゲームに戻り、クリックして氷のジェムを投げてみます。
woosh音と魔法の再チャージ音が、氷のブラスト音の後に聞こえるようになりました。すばらしいです。
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ゲームを終了するには、Esc を押し、矢印で上下に移動してquitを選択し、次に Enter を押します。
これでモジュール2は終了です。このモジュールでは、1つのWAVファイルの多用途性を最大限に高めて、さまざまな用途に使用するテクニックを習得しました。最初にサウンドオブジェクトをコピーする方法を学びました。これは元のファイルに変更を加えることなく、オーディオアセットを再利用したりカスタマイズしたりするために欠かせないスキルです。
次にSource Editorの使い方を学び、再生するWAVファイルの特定の部分を選択できるようになりました。その後にボリュームやピッチなどのオブジェクトプロパティの変更にすすみ、アニメーションに合わせてサウンドを調整できるようになりました。
最後に複数のアクションで構成され、アクションごとに独自のタイミングがある複雑なEventを作成する方法を学びました。すばらしい進歩です。
次のモジュール3:少ないリソースでバラエティ豊かなサウンドを作成では、アセットが限られている場合でも、豊かで多様なオーディオエクスペリエンスを創出する方法を紹介します。