Wwiseの基本的なアプローチ

目次

RTPCカーブを設定する

これまでに心拍音のボリュームとプレイヤーのHPを関連付けました。ここではRTPCカーブの形を調整して、プレイヤーのHPが50を下回った時にのみ心拍音が聞こえるようにします。カーブを調整するには、現在カーブの両端にあるドット形状のコントロールポイントを動かします。

  1. 右にあるコントロールポイントを下までドラッグします。

    これでプレイヤーのHPがどのような状態であろうと、心拍音の通常の再生ボリュームから200dB引いたボリュームで再生されるようになります。一般的に、80dB以上を引いたボリュームでは、サウンドが聞こえなくなるはずであるため、その時は心拍音が全く聞こえないと考えて問題ありません。

  2. HPが50くらいの位置でカーブをダブルクリックし、新しいコントロールポイントを作成します。

  3. 左端のコントロールポイントをクリックし、座標 Y:0 と入力し、 Enter を押します。

    Heartbeatの音量は、プレイヤーのHPが50以下に落ちるまで上がり始めません。

    [Tip]

    グラフの右下にある+記号と-記号を使うことで、カーブセクションをズームすることができます。+記号と-記号の中間に位置するアイコンをクリックすると、グラフビューがリセットされ、カーブ全体が表示されます。Z+クリック‐ドラッグ でズームイン、もしくは Ctrl+マウスホイール で垂直方向にズームイン・ズームアウト、そしてCtrl+Shift+マウスホイール で水平方向にズームイン・ズームアウトです。Wwise ProjectメニューのKeyboard ShortcutsやCommandsを参照してください。

    トランジションをもっと滑らかにするために、コントロールポイントをさらに多く作成する方法もありますが、組み込まれているカーブを利用することもできます。

  4. 動かしたばかりのコントロールポイントの右側でカーブの任意の場所を右クリックし、Exponential (Base 3)を選択します。

    このカーブでは、HPが50を下回った時にボリュームが急に上がり、プレイヤーのHPが0に近づくにつれて、心拍音のボリュームが徐々に上がっていきます。

    どのような音になるのかを試聴しない限り、このカーブを的確に設定することは非常に難しい作業となります。

  5. Transport ControlでHeartbeatオブジェクトを再生します。次にRTPCタブでPlayerHealthのパラメータカーソルを左や右にドラッグして、サウンドの効果を確認します。

    心拍音のボリューム全体を上げていく以外にも、ローパスフィルタを適用してプレイヤーが徐々に心拍音に気付くようにする方法もあります。ローパスフィルタは一定の周波数以下の音だけを通すため、こもったサウンドにすることができますこれはプレイヤーに心拍音を気付かせるために適した方法です。徐々にLow-Pass Filterを開くことにより、Heartbeatをさらに目立たせ、明確にしていきます。Wwiseでは、1つのGame Parameterを複数のプロパティにマッピングできるので、先ほど作成したボリューム用のカーブに加え、ローパスフィルタのカーブも追加してみます。

  6. 次の[>>]セレクタをクリックして、2つ目のプロパティのVoice LPFPlayerHealth Game Parameterにマッピングします。

    2つのラインが見えます。赤色のラインがVolumeカーブを示し、青色のラインがFilterカーブを示します。

    Low-pass filterプロパティ値の範囲は、0~100です。どれだけの割合の周波数がフィルターされるのかと考えることができ、スタートは高周波数帯域からです。言い換えますと、数値20は、可聴周波数帯域の高域20パーセントがフィルターされ、サウンドが暗く、もしくははっきりしなくなります。デフォルト値が0だということは、現在のオーディオは変わらず、このサウンドの全ての周波数帯域が聞こえることを意味します。

    Volumeカーブを作成したように、すべての周波数をフィルタするところからはじめます。そしてあるポイントに到達したら、徐々にフィルタを開き、すべての周波数が聞こえるようにします。

  7. カーブの右端のコントロールポイントを一番上まで動かします。数値が60くらいの位置でカーブをダブルクリックして、新しいコントロールポイントを作成します。この新しいコントロールポイントを上にあげます。

  8. PlayerHealthパラメータをグラフの左端から右端にゆっくりドラッグしながら心拍音を聞きます。最初は大きくクリアだった心拍音がグラフの中央に近づくにつれて、柔らかくこもったサウンドになっていくことが分かります。中央から右では、心拍音は聞こえません。


このページはお役に立ちましたか?