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ループサウンドの設定

これで昼間の森のシーンで使う、アンビエントバックグラウンド用のオーディオファイルをプロジェクトに追加できたので、ループを設定して連続再生させます。サウンドオブジェクトやモーションエフェクトオブジェクトのループ再生は、無限ループかループ回数指定のどちらかを選択できます。

サウンドSFXのループ設定

オブジェクトをダブルクリックすると、デフォルトでオブジェクトのプロパティが表示されます。この動作により、Sound Property Editorのフォーカスが、選択されたオブジェクトに移ります。

複数のサウンドファイルのループ設定

ループポイントが聞こえないような1つのサウンドファイルをループ再生させる方法は今日でも使われますが、最近は複数のサウンドファイルをランダムに組み合わせてループさせる方法も頻繁に採用されます。例えば、2分間のサウンドファイルを再生する代わりに、30秒のファイルを4つ、ランダムに再生します。

それでは、この手法で夜間の森のシーンで使うアンビエントバックグラウンドを設定します。まず、1つのアンビエントサウンドファイルを4つの短いファイルに編集し直し、これをインポートしてランダムコンテナに子ファイルとして入れます。この4つのファイルの再生順序をランダムにすることで、ループ再生の編成が毎回変わります。

最初に4つの個別ファイルをインポートしますが、前述のAudio File Importer機能を使うか、元のフォルダからDefault Work Unitにドラッグ&ドロップします。

インポート後の4つのサウンドファイル

ゲーム内の複雑なオーディオ要請に対応するために、異なるタイプのオブジェクトをWwiseのプロジェクト階層に取り込むことができます。アセットをまとめたりプロジェクト構成を作り上げる時に、以下のオブジェクトタイプを組み合わせることができます。

  • サウンドオブジェクト

  • モーションFXオブジェクト

  • アクターミキサー

  • コンテナ

アクターミキサー階層には、以下の4種類のコンテナがあります。

- ランダムコンテナ:1つまたは複数のサウンドオブジェクト、モーションエフェクトオブジェクト、および/またはコンテナをグループ化したもので、これらはランダムな順番で再生する。

- シーケンスコンテナ:1つまたは複数のサウンドオブジェクト、モーションエフェクトオブジェクト、および/またはコンテナをグループ化したもので、特定のプレイリストに従い再生する。

- スイッチコンテナ:1つまたは複数のサウンドオブジェクト、モーションエフェクトオブジェクト、および/またはコンテナをグループ化し、いくつかのスイッチやステートに割り当てたもので、スイッチやステートは、ゲーム中にある1つの要素の様々な選択肢に対応している。

- ブレンドコンテナ:同時に再生される、単数または複数のサウンド、モーションエフェクトオブジェクト、コンテナのグループ。ブレンドコンテナにあるサウンドやコンテナは、まとめて別のブレンドトラックに入れて、RTPCを使ってサウンドのプロパティをゲームパラメータ値にマッピングできる。また、ブレンドトラック内のサウンドに対し、ゲームパラメータ値に基づいたクロスフェードを適用することも可能。

次に、複数のオーディオファイルをランダムな順番で再生します。今回はランダムコンテナを1つ作成します。ランダムコンテナやその他のサウンドオブジェクトを作るには、以下の方法があります。

  • Project Explorerツールバーから

  • 右クリック(コンテキスト)メニューから

  • ショートカットキーから(Helpメニューの Wwise Shortcuts Quick Reference Cardを参照)

Default Work Unitを選択してProject Explorerツールバーのランダムコンテナのアイコンをクリックし、選択したワークユニットまたはサウンドオブジェクトの中に、新規ランダムコンテナを追加します。

Project Explorerツールバーからランダムコンテナを作る

ランダムコンテナを作り名前をつければ、サウンドオブジェクトを直接ドラッグ&ドロップして入れられます。

ランダムコンテナに入れた4 つのアンビエントサウンドファイル

これで、夜の森のアンビエントとしてループさせる4つの短いファイルがコンテナに追加され、次に、再生の順序をRandom Container Property Editor画面で設定します。Wwiseには2種類の「ランダム」があり、コンテナ内のオブジェクトを同じ確率で選択して再生する通常のランダム再生と、一度再生したオブジェクトを選択群から外すシャッフル選択のどちらかを選びます。ランダムコンテナをダブルクリックすると、ランダムプロパティが表示されます。

ランダムコンテナのPlay Typeの設定

このループ機能はランダムコンテナのプロパティでも設定できるので、コンテナ内でオーディオファイルのグループを同様にランダムにループさせることもできます。

Play ModeをContinuous(継続)に設定してランダムコンテナのサウンドをループする

これで複数ファイルをランダムにループさせ続ける設定が完了すると、次に、ループ再生中に1つのサウンドから別のサウンドにトランジション(移行)する時の詳細を設定します。ループのトランジション設定を有効にすれば、コントロールの範囲がさらに広がります。

ループするサウンドファイルの間のTransitionタイプを追加設定する

上記の例では、トランジションをSample accurate(サンプルアキュレート)に設定したことで、シームレスにループするアンビエントファイルが作られました。これ以外にも、トランジション設定の選択肢として、ディレイ(サイレンス)、一定パワーでのクロスフェード、一定振幅でのクロスフェード、トリガーレートがあります。

この手法の強みは、ランタイムで複数のサウンドファイルを組み直して実現するサウンドが、長さの決まった1つのファイルを使用した場合よりも、はるかに多様性に富んでいることです。さらに、サウンド間のトランジションを設定できるため、多様かつ繰り返しのないループで複雑に変化するサウンドが生まれます。これらのループ方式は、モノ、ステレオ、4チャンネル、サラウンドのいずれのアンビエントバックグラウンドにも対応しています。

以上でアンビエントバックグラウンドシステムの制作が開始されました。ループを自由にデザインしてクリエイティブに再生することにより、限られたリソースで豊かな環境を表現できます。


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