レッスン 4
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このMIDIトラックやそのクリップが参照する楽器は、東南アジアの竹笛の一種であるスリン(suling)です。様々なピッチで個別のノートをスリンで演奏したレコーディングが、提供されています。これらのレコーディングを、Boss-D-Sampler-Sulingミュージックトラックの音源に使います。オーディオレコーディングを1つのサウンドSFXオブジェクトにインポートして、あとでMIDIトラックのターゲットに設定する必要があります。
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Actor-Mixer Hierarchyで、Musicワークユニットを右クリックして、Import Audio Filesを選択します。Wwise-201 Cube Music > Boss > Boss-D > Boss-D Suling Samplesフォルダを開きます。Suling_C#5ファイルをインポートします。
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Suling_C#5サウンドSFXオブジェクトを選択し、再生します。
スリンでたった1つのノートが演奏されて、不気味な音が聞こえます。ここで演奏している音符はC#5で、ファイル名の通りです。それでは、Suling C#5というサウンドSFXオブジェクトをSuling MIDIトラックのターゲットに設定しますが、作成したSynth Oneオブジェクトをターゲットに設定した時と同じように設定します。
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Interactive Music HierarchyでBoss-D-Sampler-Suling1 Random-Stepトラックを選択してから、Music Track Property Editorで、MIDI Targetグループ内のOverride parentチェックボックスをクリックして、Suling_C#5オブジェクトをターゲットフィールドにドラッグします。
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Boss-Dミュージックセグメントを選択してTransport Controlでピン付けしてから、再生します。
スリンが再生されますが、このMIDIトラックに複数の音符ポジションが入っているにもかかわらず、再生ピッチが全て同じです。これを直すには、受信したMIDI情報にこのオブジェクトがどう反応するかを決めるMIDIプロパティを、調整します。
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Suling_C#5サウンドSFXオブジェクトを選択して、MIDIタブが選択されていることを確認します。
ここに表示された様々なプロパティで、サウンドSFXオブジェクトがMIDI情報にどう反応するかを制御できます。サウンドSFXは、MIDIトラックのターゲットとなると、MIDIの各note-onコマンドを再生コマンドとして解釈しますが、デフォルトで、MIDIノートのピッチは無視されます。MIDIノートのポジションによって笛の音のピッチが変化する必要があります。
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Note Trackingグループで、Enableチェックボックスをクリックして、トラックをもう一度再生します。
今度は様々なピッチが聞こえます。ピッチのバリエーションがありますが、聞こえるノートピッチはMIDIシーケンスに含まれるMIDIノートピッチと合わないかもしれません。つまり、MIDIシーケンスはノートD3を再生しているのに、F#3に聞こえてしまうのです。理由は、Wwiseが音のピッチを上下するために再生スピードを変えているからです。スピードを加速したり減速したりするのをWwiseが正しく判断するには、サウンドSFXオブジェクトの参照先のレコーディングにおけるサウンドの実際のピッチが分かる、比較対象が必要です。この参照基準をRoot Noteと呼び、サウンドSFXオブジェクトのProperty Editorで手入力する必要があります。Wwiseはオーディオファイルの既知のピッチを知れば、ミュージックトラックから受信したMIDIノートをそれと比較して、レファレンス先のオーディオファイル速度をどれだけ変更すべきか正確に計算することができ、サウンドが再生中のMIDIノートに合うように正しくトランスポーズできます。
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スライダーを使いRoot NoteプロパティをC#5に設定して、トラックを再生します。
これで、聞こえてくるピッチは、MIDIシーケンスで再生中の実際のノートと合います。