レッスン 2
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音楽をダイナミックに変化させる別の方法として、レイヤードアプローチ(layered approach)、別名リオーケストレーション(re-orchestration、再編成)があります。概念として、短い音楽を作曲する時のクリエイティブプロセスと非常に似ていて、今回のレッスンで実装する8小節の音楽ピースもそのような短編の音楽です。最初にメロディーラインで始まり、そのあとハーモニーの追加、次にカウンターメロディー、ベース、パーカッションと続けば、1つ1つのレイヤがより大きなテーマを成立させます。作曲中は、レイヤ同士の組み合わせを変えながら、ドラムを入れたり入れなかったり、ベースとギターだけにしてみたり、よく試行錯誤するものです。また、どのパートをどの楽器が演奏するのかを変更しながら、メロディーをフルートにしてみたり、シンセにリードさせたりするかもしれません。
従来のDAWでは、各楽器をそれぞれトラックとして構築し、他のトラックと合わせながら、ハーモニーとしてもリズムとしても補完する関係を持たせることが多いです。それは、トラックのミュート機能を使いトラックの組み合わせ方を変え、レイヤー同士の相性を実験するのが簡単な方法です。作曲した時は思い浮かばなかったような、新しいレイヤーの組み合わせを発見することがよくあります。DAWのエディタで最終的に目にするのは縦に並べられた複数のトラックのレイヤで、レイヤードアプローチで時々使われる縦方向の指定も、ここからくるのかもしれません。
Cubeでは、このレイヤードアプローチを使って、プレイヤーつまりWwise Wwizardが敵と戦いながら魔法のジェムでモンスターに打ち勝つ時に、特別に作曲された音楽を組み込みますが、これはゲーム中によく起きる場面です!音楽は、激しくて明るいものです。コンポーザーは、Combatミュージックを完全にミックス済みの複数のセグメント(Explore音楽で採用した方法)として納品せずに、マルチトラックフォーマットとして納品しました。あなたがインポートするオーディオファイルは、ギターなどのシングルトラックか、パーカッションやストリングスといった楽器グループのミックスされたファイル、いわゆるステムミックスとなるわけです。このDAWプロジェクトのイメージ図を見て下さい。
Combatミュージック用に使われているトラックが複数あります。音楽をDAWだけで作成すると、どのパートを、どこで、どの楽器で再生するのかを決定する必要があるので、アレンジメントが固定されてしまいます。クリエイティブな選択肢の多くが、最初から排除されてしまいます。一方、Wwiseは動的な選択肢により生命を吹き込み、試したこともない組み合わせをゲームプレイ中に実現することで、音楽が長時間再生されても飽きることがありません。
一旦、本レッスンでは、Combat-Aという名前のミュージックセクションに着目します。Combat-Aは僅か8小節の長さなので、変化させる選択肢があまりないと思うかもしれませんが、レイヤードアプローチとWwiseの機能を組み合わせると、8小節だけでも成し遂げられることがたくさんある事に気づきますよ!
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Lesson 2プロジェクトを開いて、F10を押してInteractive Musicレイアウトを開き、Musicワークユニットを展開します。