レッスン 3

目次

Virtual Voiceを理解する

デフォルトでどのアクティブボイスも同じ手順で処理されますが、単に一部のサウンドの距離が遠いため、あるいはランダマイズされた値が不規則に組み合わされているため、あるいはほかの大量のサウンドに隠れてしまうため、聞こえないことがあります。いずれにせよ、耳に聞こえないボイスに対してリソースを使っても無駄なだけです。聞こえないボイスに使われるリソースを最小限にするために、ボイスを‘virtual’状態に送ることができます。ボイスがアクティブ状態のときはフィジカルボイスと呼んでいますが、それはWwiseで以下を意味します:

  1. オーディオファイルは、デコードされます。

  2. 音はリサンプルされます(使う場合は、Pitch Shiftを適用)。

  3. エフェクトやフィルターが適用されます。

  4. Volume計算が実行されます。

フィジカルボイスがバーチャルボイスに変わると、Wwiseはその音に関して、上記4のボリューム計算の手順以外を、すべて省きます。ボリューム計算の処理は、音を再びフィジカルボイスにするのに充分な大きさとなったタイミングをWwiseが把握するために必要です。ボリューム計算(手順4)だけを行うため、ほかの手順に使われるリソースが節約できます。

それでは、Profilerに戻り、どの音がバーチャルでどれがそうでないかをモニタリングしてください。

  1. 必ず現在のレイアウトがProfilerであることを確認してから(またはF6を押してから)、Advanced ProfilerのVoicesタブに移ります。

  2. 必要に応じて下のスライダーを右にドラッグし、Virtual列が見えるまで移動します。

    Virtual列を見ると、この音が現在バーチャル状態かどうかが、シンプルなチェックマーク(√)で表示されています。また、バーチャルボイスは、以下のVoices Graphビューでもグレイアウト(灰色表示)されます。

  3. WwiseのLayoutsメニューで、Voice Profilerを選択(またはF11を押下)します。

    Voice ProfilerにあるVoice InspectorやVoice Monitorを使えば、1つのボイスの詳細や、変更箇所などを、簡単に確認できます。Voice Monitorを使うと、タイミングを指定して内容を確認できます。ただし今は複数のボイスが重なり合い、それらが多く表示されているため、まずVoice MonitorのObject FilterでAmbient_Fire_Campfireという、Blacksmithの鍛冶屋の火元のボイスとしても使われているオーディオ構造を選択します。

  4. Voice MonitorのText Filterにambient fire campfireと入力します。

    Ambient_Fire_CampfireのボイスがVoice Monitor、Voice Explorer、Voice Inspectorに表示されます。

  5. Voice Monitorのタイムカーソルをさらに後方にドラッグし、Ambient_Fire_Campfireのボイスにバーチャルマーカが表示されるまで、戻します。

スタートした場所はAmbient_Fire_Campfireのボイスから離れていたため、当初のボイスはバーチャルでしたが、Blacksmithの鍛冶場に近づくにつれ、ボイスはフィジカルになりました。タイムカーソルをさらに後方にドラッグすると、ボリュームはボイスがバーチャルである限り変化しないのが分かりますが、それは最初の3つの手順(1. オーディオファイルのデコード、2. サウンドのリサンプル、3. エフェクトやフィルタの適用)が、省かれたからです。

Voice Graphビューを見ると、3本線と負の無限大を示すアイコンがあります。

このアイコンは相対ボリュームを表し、ボイスがバーチャルでもフィジカルでも計算されます。負の無限大は、ボイスが無限に低いことを意味します。


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