レッスン 8
目次
これまで7つのレッスンを通して、Cubeの音楽構成を構築しました。この構成は、機能だけでなくまとめ方も重要であり、主な目的は音楽をゲーム中に再生する時の動作をコントロールすることでした。この構成でまだ考慮されていないのが、オーディオシグナルの構成です。Wwiseのどのオーディオシグナルも、ランタイムに聞こえるようにするには、最終的にMaster-Mixer HierarchyにあるMaster Busの1つを通過する必要があります。
Wwiseのバスのはたらきや構成についておさらいするには、Wwise-101 レッスン5 - オーディオシグナルフローを理解するを参照してください。 |
今のところ、全てのオブジェクトがMaster Audio Busに直接シグナルを送り、そこでゲームで生産された他の全ての音と組み合わせられます。Master Audio Busを見るには、Master-Mixer HierarchyのDefault Work Unitを展開します。
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Lesson 8プロジェクトを開きます。
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Project ExplorerでMaster-Mixer Hierarchyの Default Work Unit を展開します。次に Master Audio Bus を展開し、中のEnvironmental バス、 Environments バス、 SFX バスを展開します。
プロジェクト内に既にあるサウンドエフェクト用の構成を見ると、サウンドエフェクトや台詞のボイスなど音の種類ごとに、それをコントロールするオーディオバスが違います。これで、バスにアサインされた全ての音を簡単に操作することができ、例えば、ダイアログからくるサウンドエフェクトのボリュームをオフセットできます。同じようなコントロール手段が、音楽用にも役立ちます。例えば、別のミュージックバスを設ければ、他の種類の音との関係に基づいて、音楽のボリュームを簡単に上下できます。さらに、音楽のセグメント別にグローバルな変更をしたい時、例えばExploreミュージックとCombatミュージックの相対的なボリュームなどを設定する場合も、検討が必要です。これを達成するには、あなたが実装した音楽用に、Interactive-Music Hierarchy内にオーディオバスを作成します。
他の階層では音楽関連のオブジェクト専用にワークユニットを複数作成しましたが、Master-Mixer HierarchyにはDefault Work Unitしかありません。このため、Music BusをMaster Audio Busの子にします。
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Environmentalオーディオバスを縮小してから、Master Audio Busを選択して、右クリックでNew Child > Audio Busを選択します。
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新しいオーディオバスの名前を、Musicにします。
新しくMusicオーディオバスが作成されます。
Cubeは様々なマップがあるゲームで、マップごとに音楽が違うかもしれません。今まで作業を進めてきたマップはWwise 201 Musicマップで、このチュートリアル用に特別に設計されました。様々なマップに合わせて作曲された音楽は、お互いにボリュームが多少違うかもしれませんが、Wwise 201 Music専用のオーディオバスがあれば、Wwise 201のマップのミュージックをかなり簡単にグローバルで調整できます。
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Wwise 201 Music オーディオバスを、先ほど作成したMusicオーディオバスの中に作成します。
同様に、CombatやExploreなどWwise 201マップで使う様々な種類の音楽用に、それぞれのオーディオバスがあると便利です。
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Wwise 201 Musicオーディオバスを選択して、Create New Audio Busアイコンをクリックして、新しいバスの名前をCombatにします。
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同じプロセスを、Explore、Boss、Story、Defeated、そしてVictoryで、それぞれ繰り返します。
これらのオーディオバスを作成していくと、上図に表示された順序と違う順序になるかもしれません。順序はバスの機能自体に関係ありませんが、親のオブジェクトを一旦縮小してから展開すれば、オブジェクトは強制的にアルファベット順に並び変わります。
バス構成を作成できましたが、Interactive Music Hierarchyのオブジェクトは全て、まだMaster Audio Busに直接アサインされています。Interactive Music Hierarchyにある複数のミュージックプレイリストコンテナを、それぞれのオーディオバスにアサインします。
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Interactive Music Hierarchyで、Wwise 201 Music ミュージックスイッチコンテナを展開して、Bossミュージックプレイリストコンテナを選択します。
Property Editorを見ると、Output Busのアサインはグレイアウト表示で、Master Audio Busに設定されています。理由は、このプロパティが親のWwise 201 Musicミュージックスイッチコンテナから継承されているからです。値をオーバーライドしないと、作成したBossオーディオバスにアサインできません。
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Property EditorのOutput Busグループで、Override parentチェックボックスをクリックし、Bossオーディオバスを、アサインフィールドにドラッグします。
継承システムがあるので、Bossミュージックプレイリストコンテナに入っているオブジェクトは全て、Bossオーディオバスに自動的にアサインされます。
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Explore、Defeated、Story、Victory、Combatの各ミュージックプレイリストコンテナの、Output Busをアサインしなおします。
Interactive Music Hierarchyに残っているアイテムは、スティンガーだけです。スティンガーは様々な種類の音楽の上にのせて再生できるので、Wwise 201 Musicオーディオバスに直接アサインします。
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Stingersフォルダの全てのオブジェクトを、Wwise 201 Musicオーディオバスにアサインします。
これでInteractive Music Hierarchy内のアサインは適切にできましたが、まだアサインしなおしていない音が、もう1セットあります。Actor-Mixer HierarchyでBossミュージックのMIDIトラック用にビルドしたシンセとサンプラーのオブジェクトも、Bossオーディオバスにアサインする必要があります。
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Boss-D Suling Samplesを、Bossオーディオバスにアサインします。
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Arpeggio SynthオブジェクトとMelody Synthオブジェクトを、Bossオーディオバスにアサインします。